Mattercontrolによる3Dプリント出力(g-code/x3g)の流れ

imageRobo3D R1プリンターについて
組み込みの里で稼働している初代の3Dプリンターで、Reprapというオープンソースベースの派生プロジェクトとして2014年初めに出荷が開始された米国スタートアップベンチャーRobo3Dの製品です。里にやってきてから、そろそろ二年ほどになります。初期製品からのアップグレードを続けて現在の製品と同等レベルにまで更新してありますが、開発元が米国サンディエゴということなので気候条件などについて恵まれた環境であり、使用環境が四季のある国ではいささか問題となり悪戦苦闘してきた経緯があります。現在安定出力ができる環境としてPC直結ではなく、g-codeファイルをSDカードで渡す形式で利用しています。

image最近追加されたのが右側のQIDITECH社のAvatar IVというモデルです。機能的にはMakerbot社のReplicator2XやFlashforge社のCreatorPro Dualというモデルの互換機種として現在は利用していますが特に大きな支障はありません。こちらの場合にはX3Gという形式のファイルをSDカードで渡して出力します。

二つの異なる3Dプリンターを使い分ける意味も含めて共通のオープンソースソフトMattercontrolを用いて3Dモデル(STL)からプリンター制御するためのコード生成をするように整備しています。

ご利用される際には、STLファイルをお持ちいただいてMattercontrolを用いてRobo3DならばG-code、Avatar IVならばX3Gを生成していただきSDカードに書き込み印刷するという手順になります。SDカードに書かれる場合にはファイル名の長さにもご注意ください。拡張子込みで31文字となっています。Avatar IVの場合にはX3Gですので最大27+”.X3G”となります。

R1(Customized) Avatar IV
 速度 0-50mm/S 0-150mm/S
層厚み 0.1-0.3mm 0.05-0.2mm
サイズ 210x228x168* 230x150x150
フィラメント PLA/ABS/NYLON PLA/ABS/NYLON/PVA
 Extruder Single Dual
 Control G-code X3G

 

3D設計から、印刷に至るまで
3Dデータを一から起こす場合や、既存データを改造することから始めるなど様々ですが、趣味での利用ということも含めて無償で活用できるソフトをベースにした里での事例は次の通りです。

既存データアーカイブから先人の事例を学びましょう STLデータを参考に活用できます。
(役に立つアイデアや利用可能なパーツが見つかります)

thingiverse 色々な作例がありますし、里で作ったものも登録しています。

3D設計を行い3Dデータを作ります。

123Design (PC環境 MacOS/Windows/Linux)
Fusion360 (Cloud環境)

3Dデータから3Dプリンターの出力に必要なデータに変換します。
(印刷精度やフィラメント種類やプリンター速度やそのほかのパラメータなど)

組み込みの里では、Mattercontrolというソフトを利用して、それぞれのプリンターに応じた形のデータに変換しています。この処理で物理的にかかる時間や必要なフィラメントの量などを知ることができます。

 

 

[Solved] QIDITECH Avatar IV 3Dプリンター HomeOffsetパラメータ調整

image位置調整の目的で、サークル校正用出力データをプリントしてプラットホーム周囲からの距離を計測しています。

このズレをHome Offsetパラメータ(Sailfish Firmware)設定に反映すればよいという理解でトライしています。

ほぼ現在の位置でも入っていると思われますが印刷開始時点でヘッドが左に振った際に大分当たっていることからも、この結果は正しく、まだズレているという認識です。現在のOffset値はsailfish firmwareのサイトから持ってきた値です。

X home offset 152
Y home offset 75

当たらなくなるほどの位置にしたところ、センターの位置も適切な位置に近づいたようです。

image次回の報告で最終パラメータ(Sailfish Firmware)をお伝えできそうですね。
当たらなくなりました。X Home offsetもY Home offsetも結果に基づいて追い込みができるようになりました。

このデータに基づいて調整したところ

ほぼセンターの位置だしはできたと思われます。

image結果は、次の通りです。

0.5mmをX-home offsetにかけて写真のようなFirmwareパラメータにしました。

 

 

image image

 

[更新] QIDITECH AvatarIVプリンター設定ノート

 

PICTURE_3D

[はじめに]

QIDITECH AvatarIVというMakerbot互換のプリンターの導入で発生した問題と対策を記します。予め断りしますが、ここでいう問題点はメーカーのいう通りの使い方をしたうえで起きたものではないので、あくまでもこちらの都合で異なる3Dプリンターに共通のスライサーからGCode生成までを行いたいがために起きたわがままな話です。製品本来の問題ではありません。最初の写真左がRobo3D R1+相当のプリンターで、右が今回のQIDITECH Avatar IVです。

[やりたいこと]

Robo3D R1+組み込みの里仕様 (Marlin Firmware)とQIDITECH AvatarIV (Sailfish Firmware)の双方を同一のスライサー環境で生成対応したい。
2013年秋からRobo3Dプリンターを導入して利用してきましたが、取り巻く制御ソフト環境もRepitierというOpenSourceのものから始まり、ハードの進化改良も含めて、今はMatterControlというものになっています。こちらもオープンソースのもので様々なプリンターに対応できるようになっていますので、今回の追加導入されたMakerbotのReplicator2X相当の中華3Dプリンター(QIDITECH社のAvatarIV)です。

[使うソフト]
Mattercontrol 1.5(.3) MacOS/Windows/Linuxで利用可能で、プリンター直結でのUI制御と共にG-code生成してバッチ運用ができる。(SDカードでハンドリング)

[問題点1 ABS運用で110C設定で粘着が強すぎる]
ヒートベッドが30C程度まで低下してからはがすことで対応。
Raftは不要、最悪のケースは包丁をあてるのが良いというのがメーカーの言い分。
Use knife remove the finished model from the build platform

[問題点2 出来上がりのサイズが一回り小さい]
用いられているXY軸の制御のギア比が異なっていたようだ。Makerbot > Flashforge = QIDITECHとなっている。参照したモデルMakerbot(Replicator2X)とは少し異なっていた。

M92 X94.5 Y94.5 Z400 E96 ;sets steps per mm for x3g driver ただしい

[問題点3 出力テーブルのセンターに出力できない]
MakerbotタイプのUI世界では出力プレートのセンターが(0,0)となっている。Home offset、Tool offsetのUI側設定と、Firmware側の設定項目の双方との影響を確認しつつ設定値にたどりついた。当初はプレート一杯に出力しようとしたが出力できなかったが、達成できた。

On Connect G-code
M206 X152 Y75 Z0 ;sets home offset (opposite values of bed size)

Extruder Offset (Extruder1)
X 34mm

image

SDカードにX3Gフォーマットで生成することでQIDITECH Avatar IVには出力が可能となった。
従来のRobo3DにはG-codeフォーマットで生成することで対応できている。

[問題点4 充填率1.0でも空きができる]

Extruderの出力条件に付加するmultiplyerで最大1.1まで拡大できる。これで調整したところ見た目にも確認がとれた。写真は1.05だったが、まだ少なくしてもよさそうです。
image左側は充填率1.0でExtruderのmultiplyerも1.0で

右側は充填率1.0でExtruderのmultiplyerは1.05です。
透明度が上がったのは充填率が達成されたためです。

 

 

 

 

 

[現在の設定情報]
30%密度 0.2mm PLA
100%密度 0.2mm ABS

3Dプリント作品を修正するツール

imageこのツールは、USBで充電して利用する3Dプリント作品出力専用の修正鏝で、鏝先は交換して何種類か変えられます。

糸引きなどの部分を除去するのに加熱しながら行います。

同様な修正目的のツールとして超音波カッターもありますが、使い勝手を見極めたいと思います。

[Solved] プリンターの出力固定シートが強力すぎる

imageとても安定に綺麗に造形が出来るようになりました。

従来のガラスプレートと異なり、表面にはられた特製樹脂シートがとてもよく固着してくれるからですが、底面積の大きなものを出力すると剥がすのが大変です。

解決策としては、少しラフなRAFTを生成して製品直接の密着から、RAFTで剥がしやすい形にして、離型剤で粘着性を下げたプラットホームに、密着度を確保するということで相反する問題を解決したいと思います。

今回のプリンターはプラットホームが上下動のみなので出力物が印刷で振られてという問題がないので固定するための力はそれほど強力でなくとも問題がないので、離型剤(シリコンスプレー)を印刷前に吹き付けてから出力することで解決したり。いままで糊をスプレーしていた時代から考えるとおかしな話ですけど、しばらくこれで様子をみます。

とはいえ、新しいパーツの登場で3Dプリンターの課題も随分と深化してきた気がします。

image速度も向上させて従来品(Robo3D)よりさらに滑らかに出力がなされてます。
ノズルが0.4mmなのであまり荒く出力するのも出来ないのですが、箱入り娘の構造で底部にありがちの反りがなくなったのは確かに素晴らしいことです。

サイズ問題も解消してます。

[Solved] 新プリンターでの出力サイズが合わない

image新型プリンターでの稼働に向けての調整確認が続いています。運用としてメーカーが進める形式ではなくて、共通クライアントソフトで二種類のプリンター(旧Robo3Dと新QIDI AvatarIV)に対応したいからです。生成したGCODEやX3GファイルをSDカードに書き込んでそれぞれのプリンターにセットする形です。

問題が生じました。下で支えている透明の部品と、上の打ちかけで止めた部品は同じサイズのはずですが合いません。透明な部品は従来の環境で作ったもので、黄色は今回の新型プリンター向けにカスタマイズしたもので出したものです。

どうやらプリンター毎にスケーリングファクターの処理をしてgcodeを生成しているようです。中華モデルが範をとったものと違うものを私はベースに設定したようで相違が起きたようでした。同様なサイズ違いの話がネットに上がっていて小さくなるというモデルはFlashforgeのCreatorPro Dualなどの機種群になるようで、おそらく中華モデルもこのタイプに互換をとっているのでしょう。Makerbotのソフトを指定されたので、機種もMakerbotのマシンに合わせていたのが間違いのもとだったようです。

MattercontrolはよくできているAll in oneになった形の使いやすいプリンター制御ソフトになっているように私は感じるので、これで統一が取れれば子供たちにとっても3Dプリンターが使いやすくなるのではと思います。

Flashforge CreatorPro Dualから設定を派生させて運用してみたところ、サイズ問題は解消しました。

3Dプリント複数同時出力の問題 (吹き出物が出来る)

image新型のプリンターで一括出力を試みたところ新たな課題が見えた。

二つの部品を同時出力すると並行移動しながらの出力となり片方のパーツの出力後移動して出力開始する直前に実はフィラメントが吐出してしまい表面にぶつぶつと出来物ができてしまうようになる。ABSフィラメントの性もあるだろうし、もう少し温度設定を下げるべきかもしれない。Extruder 230C / HeatBed 110Cでの出力での結果だ。
まずは従来通り一つずつの部品を出しながら進めて見ることにした。
プリンターに付属してきた出力ベッドの上のシートは、固着性も高く安定して出力ができてABSでの反り返りも見られないのはよいことなのだが、いったん出力するとベッドが冷えるまでは剥がせないという状況もみえてきた。はたしてトータルの出力時間は短くなるのだろうかという課題は残ってしまいそうだ。

高専アルバイトとして企業さんからペッパーの持ち込みです

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田舎の一軒家の組み込みの里にペッパー君がやってきました。

 

 

 

 

 

 

image後輩の高専学生に機材を貸し出してアルバイトを手配する先輩です。

 

 

 

 

 

 

imageさて、意のままに動かせるのかと現状把握

 

 

 

 

 

 

 

image様子を見に来た、ご意見番も確認してます。

 

 

 

 

 

 

 

image開発スタイルは、自分のノートで進めます。
これからしばらく週末は里で作業します。

USB顕微鏡のバックライト不良対策(交換?修理)

USB顕微鏡のバックライトがつかなくなったのが始まりだった。不良を解決すべく本体を開けて内部を確認したのだが、鏡筒内部に配置されているLEDまで の配線がおかしい様子だったので、予想以上の密度で内部が出来ていたので表示が動作できる点で再現確認をしたところであきらめていた。バックライト以外には不満もなく、アプリケーション”MicroCapture”もWindows7で動作していたマシンでは問題なく動作していた。

Windows10へのマシン移行を契機に、バックライトのつかない顕微鏡を解決すべく最近のモデルを手に入れようと考えたのだが$20以上を払う気もしないのでWindows8まで対応を表明していた少し古いタイプのチャイナモデルを探した。

同様なモデルを購入できたが、ケース外観と内部は大違いでカメラのドライバーもアプリも異なるものだった。残念ながらWindows10での動作では最もよく使うユースケースである拡大しながらのPreviewingが描画できないという問題が判明した。静止設定すると表示が正しくでるので、問題はDirectShowにあるようだった。

意を決して、再度古いモデルの筐体を開けて、バックライトの問題について解析をすることにした。CMOSセンサー基板とコントローラ基板の連結コネクタのピンに一か所問題が見つかり、そのピンが抜ける様相になっていて、そのパターンが切れているのを確認した。ワイリングペンでUEWを使って配線を試みるとバックライトが復活した。

image2016-06-20このワイヤリング対策について早く気づいていれば・・と思いつつ、きっと無駄な買い物をするまでは必死に探さなかったのだなと反省。

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こちらが、当座使う目的を失ったWindows10では問題ありそうな顕微鏡です

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復活を遂げた、顕微鏡です。倍率は200倍ほどですが使い道は基板のはんだ付けの目視検査なので問題はありません。

 

 

 

mattercontrolでサポートが出来ないケース

連結して作成しようと思った長手の部品だったがこちらがわは上部の突起に対してのサポート材が生成されないようだ。暫く、mattercontrolのみでやってきたので他のslicerを見直してみるしかないか。クーリングが十分になっているプリンターならば、これでも可能なのかもしれませんが・・・。

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PLAではあるが上部の突起に対して、サポート材が出せていない。