[ご注意] 中国からの送料無料の送達確率は100%ではありません

多くのモノづくりが、日本を離れてしまい電子部品などの流通も様変わりしていて、電子部品市場である、秋葉原に近いからといったメリットよりも、Aitendo のある末広町に近いからというメリットが出てくるような事態になっている。そう中華市場に世界中の電子部品ニーズが集まっているからなのだろう。

知己の御仁は、もともと大陸からの部品手配で、子供達に向けた電子基板などの開発提供サービスを繰り広げていたのだが都内にいるメリットが無くなったということや、退職したセカンドステージに入ることも含めて北海道の屈斜路湖近くに本拠地を移転した。まだ現地でオフィス建築中なのだが・・・。Japan-Postの配送が来る地域ならば全国どこでもOKだということだ。

さて、組み込みの里を始めるころと中華市場での電子部品入手がメジャーなメソッドに変わり始めたことが相まって国内の通販のみならず徐々に中華通販での手配が増えてきている。大陸の通販を直接対応するには、知己のようにマンダリンで応対できないといけないのだろうけれど。それが難しい私には、aliexpress が英語レベルで敷居をさげてくれて助かっています。

aliexpress では AmazonでいうPrime会員はないのですが、ある程度の軽量な電子部品であれば数量規模の範囲で送料無料で送ってくれるショップをリストしています。おなじ商品でも数量を増やしていくと、ある量をきっかけとして有料に変わることにはなります。送料無料で対応している場合は、China Post Air Mailが一般的で、ここからJapan Postに配送されてきます。

表題の送達確率だが、経験からいえば98%程度だ。50回に一回くらいは送付から2か月かかっても到着しない、中国からの出荷履歴があるが、日本への到着履歴がないという事態が多い。注意しなければならないのは、Tracking Informationだが、ショップがChina Post Air Mailを使わずに別の業者に依頼される場合には、一切トラッキングインフォメーションが出ないこともままあるが、98%の確率でほぼ一か月以内には届いているという実績でもある。

China Post Air Mailに発送されたといっても安心は出来ず、下の事例のような形で、同一のトラッキング情報が何回も出荷された上で、結果として日本国内への着荷情報がないというケーrecordスもあり、何が起こっているのかは貨物でロストしたとだけは言えないのではないかと思われます。

 

 

注意すべき点として
・ショップの開設時期と実績の確認 (取り逃げのcaseもありますが、Aliexpressでは補償されます)
・出荷された場合のトラッキングデータのウォッチして一か月以上トラッキングデータが中国から出荷にならない場合にはアラートをショップにメッセージで投げる

 

 

 

3Dプリント安定化のベースが出来つつあります

3Dプリンターが到来して三年余り、今は二台目も登場してパラレル運転することもあり新旧両機種の癖の違いなども進化として理解している。旧型機種とはいえ、当該メーカーの更新や最新型のホットエンドへの改修も含めてそれなりに進化している。進化できないのはメカにともなう速度の問題と、構造に基づく振動などの課題だ。とはいえ先日作成したヒートカバーでABS出力も安心して出せるレベルになった。

新型プリンターはFlashforgeなどの相当品で、出力プレートが上下動するタイプでX-Y軸の水平面が保持される点なども含めて高速動作が出来るようになっている。構造からくるサイズ制限は、筺体に対して出力プレートの左右にエクストルーダーの余地がそれぞれ必要なことや、既にDualヘッドの時代になっているのでそれも要因の一つだ。出力サイズを確保して安定に出力するという目的に適うのはデルタ型かもしれない。Dualヘッドの並行性確保が難しいという噂などがあり、メカで水平が確保されるモデルとして現在の機種を選定したのだが、三つのモータを駆使して制御するデルタ型のほうが実は安定かつ力強く制御できるのかもしれない。

旧型プリンターはAutolevel機能を導入したので、この点については毎回の調整が不要になりとても便利だ。新型プリンターは構造的に本来は最初にマニュアル調整すればふとは不要のはずなのだが、ヒートプレートの過熱状態でのたわみの相違があるのか今のところ毎回微妙な調整を余儀なくされている。こちらも出来ればAutolevelの多点検知補正でアルゴリズムで解決できるように改造をしていきたいと思う。

ここまでは、現状認識までの話なのだが、実際問題として安定出力していく上でどちらにも重要な課題は、実はフィラメント供給の安定が鍵だといえる。

新型プリンターでも発生した、フィード不良による停止は、実はフィラメントガイドが課題だったし、同様に旧型でも同様なことが懸念されたし思い返される事態が記憶にあったのでフィラメントガイドの再設計を行った。Flashforgeでも共通の課題だったフィラメントスプールからの引き出し位置をスプール幅の中央位置に合わせることでフィラメントがスプール内部で噛むことが回避されるようになった。片寄せをしていた場合には噛みこみが発生していた。

Robo3Dではフィラメントを上部に置いてはいたものの、噛みこみについての理解は十分でなかったし、中央位置へのガイドとともにスプールが安定に回るようにという意味も含めてひっかけではなくてベアリングを追加してスプールがスムーズに回るようにした。従来は、テンションがさらにかかる要因になっていた。また取り付け位置も高さを稼いでフィラメントガイドに追加したガイドホールの角度もスムーズになるようにした。

3Dプリンターでフィラメント供給が止まる要因には様々なものがあるが、色々つぶしていった結果、残ったのはここになる。もうホットエンド供給内部でフィラメントが詰まることはなくなった。冷却が十分に必要ということの認識と対策が出来たことに基づく。ホットエンドをヒートアップして、フィラメントさえ送りこめるようにしてあげれば内部を掃除する必要はなくなったと感じている。

まだまだほかの事由も起こってくるのかもしれないが、三年余りの運用を通じて学んできた経験からの対策は、複雑な3Dプリンターのシステム理解についてゴールに近づいているかもしれない。

[注意] STLファイルの加工について続報 Meshmixer

既存のSTLファイルを加工して利用する場合についてデータ出力で問題となる場合がわかった。

imageこの写真の例では、左端のデザインをベースにして一部の脚のみを分割して伸ばしたいというものだったのだが、真ん中の事例は、そのままやったことが明確なままに部材も分断されて出てきた。

右側の事例は、そのことが判明したので対策をしたものです。Meshmixerで面カットなどで分断した場合で別の部品や拡張した形で接続しようとする場合に起こりました。

Gcodeベースで確認すると違いは次の通り。

スクリーンショット (55)結合しただけの状態で出したSTLファイルは実際には内部は結合していませんでした。Mattercontrolでgcode生成した場合の第一層の写真です。

 

 

スクリーンショット (53)結合した後にMake solid(固体化)というアクションをとることで作ったSTLファイルでは綺麗に内部が固体化されたのが確認されました。

 

 

必要な手続きをMeshmixerで再確認すると

スクリーンショット (44)これが内部で固体化されていないSTLファイルを読み込んだ状態でObject Browserを開きました。

スクリーンショット (45)

 

Edit->Separate Shellを実行すると内部に三つのパートがあったことがわかり分解されました。
Object Browserで三つのパートを再選択して、Combine(結合)します。

 

 

スクリーンショット (46)Object Browserでも一つになりましたが、これではもとに戻っただけですね。

スクリーンショット (49)

 

 

Edit-> Make solidを選択するとメニューが出てきますので、固体化する際の精度などを選択できます、ここではsolid accuracyを最大の512にしました。そしてacceptを実行すると

 

 

スクリーンショット (50)Object Browserにもう一つのデータとして名前に(solid)が付加されたものが作られました。

 

 

 

スクリーンショット (51)固体化していないオブジェクトを一旦Object Browserでゴミ箱に入れて

 

 

 

スクリーンショット (52)このオブジェクトに対して、Edit->Separate shellを実施すると出来ないよとアラートが出ますので、これで固体化が完了しました。

 

 

スクリーンショット (54)Object Browserで、固体化したオブジェクトを選択した状態でFileメニューからExportを選んで、STL形式で出力することで完了となります。

 

 

 

 

 

[懸案事項] MatterControl と QIDITECH関連

ヒートベッドの温度設定ならびにフィラメント温度設定などが正しくx3gファイルに設定されないと思われる事象の発生

  1. PVAフィラメントの入荷で、サポート材料をPVAにしようと、まずは温度設定を振って試験データ採取をしようとしているのですが、個々に設定を変えたはずのx3gファイルを読み込ませても機体が抱えている設定が変更されないようにみえる。
    1. Sailfish firmware側の設定でGcode温度設定に対してOverrideするという設定があり、これがONになっている場合には機体が抱えている設定が反映されるので、SDカードにゆだねる場合には、設定をOffにする [解決1]image
  2. PLA利用での出力の際には、最初のフィラメント垂れが発生するように見えて、これを回避するにはloopを形成してそこに逃がす必要がありそうなのだが、loop指定もうまく反映されないように見える。mattercontrol側の課題か確認要
  3. PVAフィラメントのヒートベッド設定は高温設定が不要とのことで、ABS材料とPVAフィラメントの組み合わせはダメらしいという情報もある。PLA+PVAでないと使えない可能性あり
  4. フィラメント詰まりが起きた、どうもDualExtruderのブロックに取り付けているヒートシンクが正しく熱接触していなかったようだ。ばらしてみるとサーマルコンパウンドやグリスもなかった。ヒートシンクがついているのに片手落ちだ。
    1. image
  5. PVAのフィラメントはノズルが詰まりやすいようだ、何か対策が必要な気がする。

もろもろ確認の一日になりそうです。予定では、細密出力のトライをしたいのですが、先は長そうだ。

[作業メモ] STLファイルの加工について Meshmixer

3Dプリンターを使い始めると、パソコン創成期のように自分で改造していくということが頻繁に発生するようになる。完成品というには、似つかわしくない進化する道具といえるだろう。カスタマイズが共通だったりする場合も、オプションが異なる場合なども含めて共有されるカスタマイズパーツのSTLファイルはthingiverseなどのコミュニティに提供される共有フォーマットとしては有用なのだが、加工をベースにした場合には123Designなどで開いても加工できないケースが多い。

今回は、Robo3Dプリンターに保温カバーを取り付けるという長年の懸案事項に踏み込んだ為にスマート液晶コントローラの取り付けパーツを変更することが必要になった。

2016-07-20 (1)左側の3Dデータが、従来使ってきたものだが、今回取り付け位置を右にずらす必要から、右側のように3Dデータを変更してパーツを作成する必要がある。

踏み込んで使えるように、今回はMeshMixerというAutodesk社のツールを用いて、こなしつつ学ぶことにした。

 

行うべき手順は、取り付け部分のパーツをカットして、スライドしてということなのだが、実際には、それだけでは済まなかった。

Plane Cutという機能で切断面を当該部分の根元に当てようとすると、角度の調整が難しいのである程度あわせて切断面を前後に移動させながら角度を追い込んで適当な位置を求めた。
2016-07-20 (2)写真の下のほうでカバーの一部が、この切断面で切れてしまうことが分かったので、あらかじめ、このケーブルカバーを根元で切断して保存しておき、あとで結合することにした。

 

 

2016-07-20 (3)切り出されたオブジェクトはObject Browserに追加された。この部分を非表示にしておいて、本体の部分のカットに取り掛かる。

 

 

2016-07-20 (4)ある程度のところで妥協すると断面は、すこしスカートが残ってしまうことになった。このままスライドしてもつながらないので、それは断面をextrudeして伸ばして面に接地されるようにしなればならないが、適当な厚みで重なっても問題はない。

 

2016-07-20 (5)切断するとこの動かすべきパーツがさらにObject Browserに追加された。

 

 

 

2016-07-20 (6)移動させてみると断面がおかしなことになっていることが判明したので、これを修正する。

 

2016-07-20 (7)

修正には、Analysis->Inspectorで断面をFlatFilでAuto Repair allを実施してまずはベースの修正を完了したので、このパーツを非表示にして移動した部品の断面を伸ばすことにとりかかる。

 

 

2016-07-20 (8) 2016-07-20 (9)案の定切った断面の前処理が必要なのでベースと同様にAnalysis->Inspectorで断面をFlatFilでAuto Repair allを実施し処理してみる。

 

 

これでこの断面を伸ばすことに取り掛かれる。

 

 

 

2016-07-20 (10) 2016-07-20 (11)selectの画面で、左クリックする少しずつ領域が選択されるので、繰り返し残りの領域を選択して全面あるいは少なくとも周囲を押さえることが必要だ。

 

 

まじめに全部選択してみた。

 

 

 

2016-07-20 (12)Edit->Extrudeでメニューがでるので、ここで長さを調整する。おそらく3mmもあればかぶるので適当なところでAcceptをする。

2016-07-20 (13)

 

非表示にしていたメイン部品を表示にすると重ね合わせが出るので少し長いが問題ないと判断するか調整をするか

 

 

2016-07-20 (14) 2016-07-20 (15)三つのパーツがそろったので、Object Browserですべて表示させて、シフトおしながら選択して、EditからCombineを選択して結合させる。

 

 

Object Browserでも一つになったことが分かるので、これで一応目的は達成した。最後に出来上がったファイルをSTLフォーマットでExportして完了だ。

[便利]フィラメント詰まりの清掃工具に流用

imageスプリング持ち手のワイヤーで線径は0.8ミリ、1.0ミリ、1.3ミリ、1.6ミリと4種類あるのだが全部そろえると便利だ。

実は、これは電動ポンプ式の半田吸引器のクリーニングピンだ。HAKKOだとこの四種類がそろう。

 

[解決その後] フィラメントスプールサイズとフィード課題

image組み込みの里では、割安なフィラメントを購入するようにしているので毎回スプールサイズがまちまちだったりする。およそ1kGのフィラメントも径や厚みが多彩だが、今回はスプール径が大きいもので、写真でいう右側のものだ。

このサイズだとガイドチューブの配置からフィラメントのフィード時の動作としてからがってしまいフィードが止まってしまう事態が起きてしまった。フィードが止まってしまうとフィラメントドライブギアがカスを作り出して詰まってしまいこまった事態になってしまう。掃除は大変だし、時間のかかる出力が失敗したりすることも含めて影響は甚大だ。

対策としてはスプールを逆に設定するようにした。

この問題は、メジャーな課題のようでスプール依存性からの解決に向けてPTFEのチューブ固定位置を空間に移動する形で、先人たちがパーツを作られていた。このプリンターはCreator ProのCloneマシンなので、良くも悪くもコピーされて再現しているということだった。となりのマシンのスプールを借りて、スプールガイドパーツを作成することにした。この現象が起きたのは、透明のフィラメントが切れて、白色に移行したことで発生していたのだった。

image隣のマシンのスプールを利用して十分な空間をあけて、そのスプール問題対応パーツを作成しているのはブートストラップしている状況といえるかもしれない。

フィラメントガイドの補助部品を作ってスプールに対して中央の位置で引き取るようになった。左がオリジナルで、右がパーツ追加後である。

少し大きな部品を作ることで安定になったかどうかはひきつづき評価します。

imageimage左側は処置前

右側は処置後

 

 

 

 

 

image出力に要した時間は、内部サポートもあり11時間あまりでしたが、翌朝無事にトラブルなく完了しました。このサポートに隠れている部品で、古いプリンターの制御パネルをずらして配置することが出来ました。双方のプリンターがABS出力などで恒温状態で出力できるようになりました。

 

 

 

 

imageフィラメントの具合が確認できるように壁にミラーを取り付けました。今日からはPVAフィラメントをセットしてみます。

 

Robo3DにもABS保温カバーを作ろうPart2

imageさて、左のRobo3Dプリンターに保温カバーを取り付けるとなると、課題がある。どこかというと

2014-12-28_22.10.30_preview_featured

 

 

 

そう、制御コンソールの取り付け位置が保温カバーのそれと当たるのである。

 

 

 

2014-12-28_22.10.38_preview_featured

背面にある取り付け部品をずらすことが必要なのだが、複雑な形状のSTLデータの削除は大本の3Dデータのものがないと難しいのだが、STLファイルを直接いじるツールも存在するが使い勝手というと、粘土をいじる感覚のような使い方を念頭にしているようで正確な部品を作るといったことには向いていないようだ。そんなMESHMIXERを使うことにする。このソフトもAutodesk社から提供されている。

 

2016-07-17左側のSTLファイルを必要な角度で面でカットして(Sliceする)、当該のパーツをトランスフォームのメニュから移動させて右側の形にして、STLファイルとして保存した。足元のカバーの長さも若干カットが必要だ。

[更新2]3Dプリンターでの強度確保の課題

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imageimage左の写真は、最近斡旋しているミニバイスのノブだが、十字鍵の結合部で顎を動かす螺子を回すわけだが、螺子の勘合未調整とはいえ鍵の部分が折れてしまうという事例が発生している。

この構造自体は、Robo3D以来続けてきたものだが、この事例のようなことは発生していなかった。プリンターとしての差分の観点からみればフィラメントノズルの径が0.6mmから0.4mmに減ったこともあり充填率100%と差はないはずだが、こわれた断面をみると隙間が見えていて、必ずしも計算された充填率と実際の充填率には差が起きてしまうようだ。

Mattercontolのスライサー設定には、フィラメントの送り量についての調整パラメータがあって1.1から0.9の範囲でいじれるので、これを増やして状況をみてみたいと思う。

また強度差分につながるかどうかは不明なのだがパーツ出力において複数部品の同時出力を行ったことも要因となっているかもしれない。壊れた部品については、単体出力と共に、フィラメント送り量の増加、出力層を0.1mmに減らして層間の密着性を高めてみるということをトライしてみる。

左側がフィラメント送り量がDefaultで右側がフィラメント送り量を5%増しで0.1mmの厚みで出力をしたところ。明らかに空気?がないような透明に仕上がっていて強度は高まったようだ。

十字鍵の部分もあふれかえる状態だ。5%増しは多すぎたかと思われます。こうした状況の場合は、樹脂にアセトンをかけて柔らかくした状態で勘合させて固める戦略でいけます。