メガネのフレームを壊して接着をあきらめ3Dプリンターで再生した件

不注意で眼鏡のフレームを壊すことが続いた。最初はレンズが保持できなくなったので、レンズが使える同じフレームが手に入ったのでフレームの交換作業をしてもらった。

そして、眼鏡をはずさずに、寝ていたらしい朝、気が付くとポキッと手元で音がした。ツルのヒンジの根元で折れていた。

img_7746アクリル接着剤、エポキシ接着剤、瞬間接着剤と種々試して結局、こんな小さな且つ力のかかるところを接着する方法はないことに合点するまでに無駄な時間を要した。

そして、ふとプリントしてみることにいまさらながら気が付き、データを探してみると、すでに先人の方たちが作られていることが世界にはいらっしゃることが分かった。

 

MakerBotの運営しているThingiverseで”Eyeglass”で検索して得られたのは、この事例だった。

 

 

ヒンジの構造の部分だけをいじって対応したところ、

imageとりあえず、一時しのぎになりそうなものが出来た。ただし、しばらく使っていると付け根の角度が広がりすぎたり、ばね性がないことなどからしっかり作成しなおすことにした。

 

PLAで作成して、RAFTとサポートを指定して作ったところ潜水艦のモデルでも作っているのかといった印象のものが出来た。

現物から実測して、必要なところは押さえたので再現性はできている。ヒンジから離れた部分は、コンロで熱して成形した。

FreeFitシリーズの015というモデルだそうですが、ほかでも使えるかもしれません。123D Designのデータも含めて、Thingiverseに登録してあります。眼鏡市場さんで部品が届くまではカスタムメガネの状況で使うことにしました。

img_77511左右共に変更しました。スリムバージョンです。

3Dプリンターでの出力から仕上げの実例

携帯電話の充電スタンドアダプター台の場合

Xperia充電台カスタム

Xperia充電台カスタム

img_7647 STLデータをgcodeに変換させてSDカードを読ませると内容が確認できます。進行状況はパーセント表示されます。
img_7689 このケースでは、立ち上げる形で出力しました。

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底面側から、ひげと爪の垂れ下がりが見えます

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カッターでひげと垂れ下がりを除去

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壁面に残るのはひげは、ノズルが移動する際の名残なので、スライサー次第で異なります

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PLAでのひげ修正は簡単だ

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Xperia Z3 Compact サポート時代の最終モデルでした

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厚み10.8ミリのアルミフレームケースです

[解決] X-ONE プリンターX軸振動問題

小型ローコストモデルとして導入したQIDITECH社のX-ONEプリンターだったが、保温カバーなどの部品を作成して整備が完了した後に問題が発生した。

X軸の動作が振動を繰り返して動かなくなったのだ、問題の切り分けでモーターの付け替えなどを行い負荷の軽いモーターでは動くような状況でもあったのでモータードライバーが逝ってしまわれたかと思われたが、あいにくとこのX-ONEプリンターでは制御基板が新規開発となっていてモータードライバーがユニットではなくて直接実装となっていて交換不能なのである。

現象をビデオにとりQIDITECH社のサポートとやり取りしたところX軸のケーブル不良だと思われるということだった。切り分け段階でケーブルの導通検査はしなかったので小さいモーターで動いた条件が切れかかりのケーブルが使える状況だったのかもしれなかったのだが・・・

週末作業がいったん切れたので持ち越しとなり、ケーブル送付をしたので確認してほしいといわれたものの、ケーブルの確認をしてと断線がなければ、その報告をすることにした。

img_7641これが問題のケーブルでモーター側にPHコネクターの6極と、基板側にXHコネクターの4極となっていて、どちらも組み込みの里の在庫品だったので基板側コネクタと嵌合させて導通試験をしたところ確かに4線のうち一本が断線していた。

四芯のシールド線の在庫もあったので、同じ長さのケーブルを用意してXHとPHの圧着端子をつけた。この作業には、SN-01Bの圧着工具がどちらにも対応できた。

img_7642

シールドは不要なので熱収縮チューブで末端処理して交換した。メーカーからの交換パーツが来るまでの代用品です。

モーターの動作が確認できて振動問題はなくなったのだが、ドライバーの出力調整は必要だったのでマニュアルモードでX軸の動作をさせつつレベル調整を行い動作修復を達成した。

 

3Dプリンターでのケーブル配線は移動に伴い撓みと伸長が発生するので線材の材質やコネクターの圧着状態なども問題となるようだ。ドライバー故障以外の故障モードを学ぶことが出来たのは収穫だった。

予備品のプリンターについても考えたが、実際はモーターの出力を抑えた設計をした場合にはモータードライバーがユニットになっていなくても問題ないのかもしれない。

ちなみに上位モデルのコントローラではモジュールとなっているので、このエントリーモデルはコストダウンと性能追及を両面から図っているようにみえる。Amazonジャパンにも在庫して出荷する体制をとっているのも彼らの戦略のようだ。

img_7646さっそくXperia Z3 Compactのドックパーツを作成したところきれいに出来上がった。アルミフレームのケースに替えたので幅が標準のものでは合わなくなったのである。

動作確認の報告をQIDITECH社には伝えて、見立てが正しかったことと、こちらで作ったケーブルも写真で見てもらった次第だ。

長年携帯技術サポートの仕事をしてきたので、不具合対応をしていて最後動作してしまうとサポート側に返事が来なくなる体験をしていてサポート側としては最後までうまくいったのかどうか知りたいということを感じていたので報告を惜しまないのです。

3Dプリンターの保温カバーを作る Part2

新型3Dプリンターはメタルフレームでしっかりしているのだが、外気温に左右されるABSなどのフィラメントを利用するには無防備な構造で簡素化されてコストダウンされてもいる。

Robo3Dの保温カバーで作成した技法を活用して仕上げることにした。透明度の高いポリカのブラダンを購入しておいたので利用してみました。

imageこれがブラダンとアクリル板で作ったRobo3D用の保温カバーです。

 

 

 

 

 

 

ここからが、新しい3Dプリンター X-ONEの保温カバー作成となります。

作成した3Dパーツは、Thingiverseのリンクに公開しています。

dsc_0629

QIDITECH社のX-ONE

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右手がQIDITECH社のAvatar IV

img_7643

左右と前面の開口部は周囲の厚みが異なるので二種類の留め具パーツを作成した。

img_7644

二段構成になっているのが前面用で、一段構成が左右開口部用となっている。

開口部のサイズは、ブラダンの幅でちょうど間に合うものだった。

dsc_0664

上部の開口部にはピッタリおけるようにコーナーに配置するパーツを作り、カバーと接着することで実現しました。

dsc_0662

今回は透明度の高いポリカ中空ボードを利用しました。正面からは透明度も高くて使いやすいです。ブラダン用に作成しておいたジョイントパーツを活用しています。角度のある部分については今回追加で開発しました。

 

[MatterSlice] 100%指定でもInfilされないケースがある

dsc_0646床下換気口の遮水カバー作成中に発見した問題ですが、3mm厚みで作成しようとしたところ、内部に空洞がある形で出力されました。この条件では、内部も両サイドからの樹脂でつながるという判断をしてしまうようです。

強度を求めようとして作成したものでしたが、3mmというものが微妙だったようです。

ノズルは0.6mm Volcano E3D
積層厚みは0.3mm

[出力不良対策]新型Extruderに切り替えてからの顛末

imageRobo3Dプリンターの出力環境改善で導入した軽量パンケーキモーターを搭載するExtruderユニットを装着して安定化するという報告をしてから、発生していたことについて書き記します。

sense2 埋め込み型温度センサーにも変えてセンサーのストレス対策なども講じましたが、配線系統の断線をしらせるエラーが生じたことから、インタフェース基板からのセンサー配線系統を一式やり直すことにしました。

 

 

また、センサーとの接続部のコネクターには、安定化の目的から配線中継用のSMシリーズコネクタを採用し、三年前の購入以来のセンサー交換などで積み重ねられた延長や途中交換を経たセンサー配線を一気通貫でやりなおしました。

 

dsc_0638ですが、まだ残る問題がExtruderのフィード不良が起きていました。動作をみるとドライバーの駆動力不足でモーターが脱調していました。

安定にフィラメントが駆動されないことの確認は、出力の表面がざらついていることからもわかります。注意深く現象を監視しているとExtruderのドライブギアが空回りして振動しているのが確認できました。

 

 

 

dsc_0639ドライバーユニットの駆動電流不足だったようで、設定値を調整して安定に出力動作が進むようになりました。

先日からの大雨で床下部分の換気口から浸水が発生したので、そうした不測の事態をさける目的で遮水カバーを作成しています。

コネクターピンの圧着

組み込みの里ではQIコネクターを皮切りに少しずつ圧着を必要とするコネクターが増えてきたのでピンと工具について整理してみました。

SN-01BM

圧着幅3.9mm

SN-48BM

圧着幅7.5mm

qi QI

圧着幅3.9mm

 xh XH

圧着幅3.3mm

 ph PH

圧着幅2.6mm

 sm SM

圧着幅4.0mm

 pap  PAP

圧着幅3.3mm

 jst-l  JST-L

圧着幅6.9mm

秋葉原を歩いて探検・・・ 電子工作&プログラミング体験会

9/10は、Assemblageさんが企画された「9月10日電子工作&プログラミング体験会」に裏方参加してきました。千代田区街づくりサポートの一環で電子工作好きな新しい世代の子供たちを育成しようと、秋葉原のフィールドワークを経て電気街を知ってもらい、そうしたパーツを用いて工作をしてコンピューター IchigoJamをはんだ付けで作り上げるという濃いイベントです。

発起人の槙野汐里さんは都立航空高専のOGで、秋葉原でメイド服でガイドをされています。また、高架下のモノづくりスペース Assemblageのメンバーでもあります。千代田区の街づくりサポートという活動への助成基金を得ることが出来て、今回はその最初のトライアルイベントでした。

世話好きな高専OB/OGが、この活動の支援に名乗りを上げてはんだ付け教室でのサポートで若者たちの好奇心の扉をあけることに協力をさせていただきました。

開催された場所は、秋葉原電気街に集合して、パーツショップや測定器ショップなどを見て歩き、15分ほど歩いた神田美土代町にあるRENBASEという場所をお借りして行いました。ビルの屋上ペントハウスとなっている和室と、テラスが会場でした。

夕方からの工作開始となったので最後は月下のはんだ付けをされている写真もあります。

たくさんの楽しい写真は、Facebook上に公開されていますので、ご確認ください。

 

埋め込み温度センサーが届いた

imageこれが決定版といえる3Dプリンター用の温度センサーが届いた。

 

 

 

 

 

 

sense3従来品での一般的なセンサーは、ホットエンド(Volcano)の穴に差し込みビスで固定するというものでホットエンドとの間は接触で成り立っていました。ビス止めでは着実なテンションがかかっていたとは言えませんでしたね。

 

 

sense2従来のネジの中にセンサーが封止されていますので、接触は安定に維持されます。

 

 

 

 

imageimage実装状態はこんな様子です。

 

 

 

 

 

どんな効果があったのかと問われると、エクストルーダーの温度センサー異常の発生が無くなったように見えます。現在使用しているFirmwareはMarlineというファームウェアですが、無記名の”Err:”が発生することがありました。ソースから見ていくと印刷中にExtruderの温度測定が急低下した事実が起きた際に用いるメッセージだったようです。

Volcano自体は熱容量の高い高速出力が可能なホットエンドなので物理的に急激な温度低下が起きることはないので、センサーの接触不良が想定される項目となります。熱結合を安定させるために何か含浸させて止めるということも従来品でも行うことで回避できるかと思われます。

Robo3Dプリンターの更新はFirmwareの修正に及んだ

image何が起きていたのか、写真を見ていただくとわかる人は凄い。これは、組み込みの里でアレンジしているプリント基板用のバイス(卓上万力)の主要部品である左右でネジの異なるネジである。これにより中心に向かって万力の嘴が移動することになるのだが、上下をカットしているのは確かに設計通りなのだが、底面が設計以上にカットされているのだ

 

image

従来品の右側の黒いパーツ(嘴も結合しているのでちょっと位置が違いますが・・・)と比較すると上下の整形が異なっているのが見て取れます。

 

 

 

 

imageRobo3Dのフォーラムの仲間と意見交換をして、現象からみてZ-offsetの処理が正しくハンドリングされていないようだというのが現象面からの推察。

 

 

実は、Robo3Dが使っているFirmwareはMarlinというメジャーなreprapプロジェクトのオープンソースなプリンター制御Firmwareなのですが、AutoLevel処理については、とてもユニークなのです。オートレベリングとは、3Dプリンターのヘッドと出力されるヒートベッドを基点とするゼロ設定を自動的に行い、プリントギャップを正しく確保するものです。この調整はマニュアルでやるととてもクリティカルなもので、ヘッドとプレートの間を0.1mm程度になるように基準の紙や隙間ゲージなどを使って出し入れした際の引っかかり具合で判定して、プレートの水平も含めて何点かで調整するというものなんです。

そんなオートレベリングにはz-probeというセンサーを取り付けて自動調整の段階では、ヘッドよりも下になる位置にこのセンサーを下げてプローブがプレートに当たるまで下げていきます。当たりが検知されたときの位置をfirmwareでは記録しておき、メカ的なセンサープローブとヘッドの相対距離を引くことで、正しいZ軸のレベルを測ることが出来るわけです。この相対距離をz-offsetと呼んでいるのですが、通常の構成では、この値は正の値となりますが、Robo3Dではマイナスとなるのです。

なぜマイナスになるかというと、Robo3DのレベルセンサーはX軸のフレームを支えているZ軸上の移動台座との間にセンサーが付いていて、実際にX軸を下げ過ぎてさらにいくと、このセンサースイッチが開放されて衝突をしるという逆転の方法で検知しているからです。実際には、開放された後に、Z軸を上げていくことで短絡するまでのZ軸の移動距離がz-offsetとなります。そのため、扱う値は負の値となります。

こうした特性から、ソフトウェアの設定メニューなどにおいてマイナスになる要素が、この一点しかないといったことからRobo3D用のFirmwareは独自のパッチをして提供していたようです。液晶制御コンソールからはz-offsetの登録編集メニューがあるのですが、こちらではマイナス範囲に対応しないといった問題もあり、メインライン化されていないコードを使っての制御は難しく、通常と同様なセンサーメカを搭載して利用しているメンバーも多いようです。

ざくっとFirmwareのコードを見直して、マイナスの取り扱いが出来るように修正したところ、正しく期待通りに動くようになりました。

imageメニューからもZ offsetをマイナスに設定できます。image印刷結果も確認出来ました。