メルカリなどでキットの頒布をしておりますが、こちらでお求めいただいて実際に作成してうまく動作しないというお話もあり中々説明資料だけでは難しい面があります。動作しない場合には、組み込みの里までお持ちいただければ、内容確認させていただきます。一件2000円で受付させていただきます。送付いただける場合には、返送送料込みで3000円で対応させていただきます。
・不具合箇所の特定、修理内容について明記して返送いたします。
「中級者向けキット」カテゴリーアーカイブ
ラジオの製作は難しい!?
電子工作オープンラボ開設に至った経緯からも、どこでも鳴らすことが出来るラジオとして6石スーパーラジオを取り上げて中華メーカーのキットを扱ってきた。ゲルマラジオのキットを都会で鳴らすことは現在の住環境では難しく電子工作の入口にはふさわしくない状況になっていることを知ったからでもあります。
さて、そんなラジオキットですが安価故に懐かしいベークの片面基板です。部品は中華仕様ではありますが日本の中波ラジオの範囲はカバーしています。中間周波数が465kHzになっていたりするのは国情を表しているのかもしれません。2028年秋には、AM放送の国内民放局は停波することになっており、既にFM移行も始まっています。電波の不思議を学ぶためにはAM放送はとても良い機会なのです。
しかなしがらそんなAMラジオを今の子供たちは聞くことはありません。タクシーの運転手も聞きながら運転しているという光景にもならなくなりました。車の中ではデジタルオーディオかCDなどを聞くようになりました。かつての自動車ラジオというジャンルはナビに置換されています。311のような大災害が起きたときに安定に離れた地域からの放送を聞くメソッドはAM放送しかありません。あの時に、「おばあちゃんの家ではラジオしか聞けなかった」という話をしていた少年を思い出します。
さて、ベーク基板は柔らかく銅箔の厚みも薄いので慣れない手つきで子供たちがはんだ付けで加熱し続けると剥離してしまいパターンが切れてしまいがちです。部品の密度も多くて昔の電子工作キットでは2石レフレックスなどの構成でも同様なもので慣れない手つきでのはんだ付けでパターンが切れてしまったときには途方に暮れた小学生時代のことを思い出します。無論、ブリッジしてしまい、回路が繋がってしまったりもします。最近では、鉛フリーの半田を使うと昔以上に半田付け不良が多発してしまうこともあります。見た目と接続は異なります。
地道に回路図から電源と信号の流れをおっていくことになります。
部品は間違えなくついているのか。抵抗のカラーコード、ダイオード・電解コンデンサの向き、トランジスタの品番とその向き。
ついている部品はただしいのか、バーアンテナのコイルは断線していないか、中間周波トランスのコイルは導通しているか、中点タップも導通しているのか。低周波トランスも同様。
「一通り見て回って怪しい箇所は吸い取ったりハンダを入れ直したりしたら薄っすらと受信するようになりました。でも、特定の局がスピーカーに耳を当てると聞こえる程度です。 電圧を調べると3と4が降圧されずに1.5vです。 430Ωの抵抗も所定の位置です。 何か考えられる事有りますでしょうか?」
こうした問い合わせをいただいた。ラジオキットを買い求められて、一つ目は鳴らすことが出来ずに2つ目をご購入いただいて挑戦して成功されたとのことだった。
スーパーラジオなのでBG1の所での局部発振とミキサーが動作しているのかどうかが最初の課題だが、局が受信できているとのことなのでBG1/BG2での中間周波変換までは動作しているのだろう。バリコンを回して同調がとれているのであれば、トラッキングをしていけばよいのかもと思うが、大体中間周波トランスの設定は予め調整できているのが最近の中華品質なのでまずは検波されてからの段階での問題かもしれない。
BG3/BG4でのトランジスタ端子に掛かっている電圧の確認をされているようだが、BG4以降は1.5Vが直接かかっているのだが、BG3までは100Ωを介しての接続なので1.5Vが観測されるということは、足回りで導通確認をしていただくことが必要かとも思う。それぞれのトランジスタのベースとコレクタから電源+の間、エミッタから電源-の間の抵抗などを見て頂くのが必要だろう。
あやしいのは、R7の抵抗、ボリュームの辺りになるかとも思われますが、果たして・・・。
逆ポーランド方式の電卓キットを作ろう
組み込みの里で、長年利用してきた逆ポーランド方式の電卓が多数ある。歴代使い込んできたモデルを中古で再入手したり、最新型モデルを買ったりとしてきた。写真にあるのは日常に利用しているHP-15Cというものだ。動作ステップをプログラミング出来るものでもある。
この逆ポーランド方式の電卓には=キーがないので、困惑する人が大半だ。学生時代から誰かが借りていっても使えないといってすぐに返されるというメリット?もある。
複雑な計算式を解法していく上では綿密に対応する括弧を確実にインプットしたりすることもなく、最奥の点から手計算で解いていくというやり方なので逆にインプットミスも少ないのだ。当時は日本語方式と呼んで売られたりもしていた。
3に5を足すという形なので 3 に 5 + というステップで答えが出る
計算式通りというやり方だ 3 + 5 = となる。
逆ポーランド式(RPNと略す)の電卓では区切りとなるキーがENTERというものになる。
スタックは4段あり、最上位(X)が表示されている。
ETNERというキーが操作されるとそれまで入力された数値・結果がスタック(Z->T, Y->Z, X->Y)にプッシュされる形になる。
二項演算をした場合にはX, Yで演算を行い、スタックから
順次ポップ(演算結果(x,y)->X, Z->Y, T->Z, T) されてくる。
今回作ろうとするモデルは、この写真の機能を実現したキットだ。
メキシコの方が設計されて出されている。基板や部品は中国で手配されているようだ。
以下のサイトで販売されている。今回はアルミパネルと3Dのケースを手配したので
63ドルほど、更に送料がFedexで25ドルかかった。
https://www.tindie.com/products/hobbystone/px-15c-an-hp15c-emulator/
表面実装部品はないが、沢山のタクトスイッチを揃えて実装するのは少し大変だ。
なお3Dプリンターでケースやキートップを作り、PDFのラベルを貼り付けるという形も取れるようだ。その場合は50ドルくらいになる。
セオリー通りに背の低い部品から実装していく。
タクトスイッチはそれぞれ1ピンだけ半田付けをして、都度垂直を整えてから次のピン
を半田付けするという形で進めていく。
液晶表示器の下にATMEGA328が実装されて、液晶表示は両面テープで留められて
基板とはヘッダーを半田付けして接続される。ファームの書き換えは、背面にコネクタがある。キットのマイコンにはファームが書き込まれている。
バックライトが付くのは実機にはなかったことでした。
大きさを比較すると少し小さくて、厚いです。
電池はCR2032を無骨に挿入する形なので交換するのに
振り回すか、ドライバで開けるしかない状況でした。
対策として電池を交換できるためのハンドルを設計しました。
こちらの載せて挿入すると取り出すときにはつまんでロック
を外して引き出せるようになります。
PLAで作成しました
電池向きを合わせてキャリーをかぶせます
出すときには、少し出ている爪を挟むことで引き出せます
サークル時計のケースを作ってみた
残り物のABS材料で足りるかと思ったが足らなかったので余っていた中途半端なフィラメントで息継ぎをしたところ、結局サイズ間違いが見つかったので作り直しになった。
新しいフィラメントで気を取り直して出力する。ABSなので取り扱いは、楽だ。
PLAの保管箱の乾燥剤のメンテナンスは必須で、吸湿してしまったフィラメントはボキボキと折れてしまい使うものにならなくなる。
さて、サークル時計の上側の基板は欠きとって目覚まし時計の雰囲気になった。
データは、Thingiverseに上げてあるが、時計キット自体が似たようなものでも差があるので、ビスの穴位置は手持ちのキットに合わせていただく必要があるかもしれない。
残りも
ガイガーカウンターシールド基板を頂きました
シーエー様から、ガイガーカウンターシールド基板を複数いただきました。Arduinoの足を取り付けるとシールドとして使えるようになります。
シールドとしてでなく、AVRを載せても良いように設計されていますね。書き込み用のソケットランドもあります。
ガイガー管も搭載済なのであとフリーランドに液晶を取り付けたり、Bluetoothのモジュールを付けてスマホで活用したりといった使い方も考えられていますね。
ちなみにシールドにすると下側にソケットをつけて刺しますので三宝のようになってしまいます。サイズの観点からは、親亀子亀ではなくてコバンザメになるわけです。
詳細のリンクはこちらにありますが、使ってみたい方には、この基板はフリーで提供しますが、ほかの必要な部品を実費手配します。
アクリルLED時計の開発環境の構築 (3)
今回のアクリルLED時計キットに取り付けるべきリレーは、以下のフットプリントに合致するものでなければならないのだが、合わせて部品高さは10mmに押さえる必要があります。
ところが、これに該当するリレーは悉く11mm以上の高さとなっているようです。
現状のままつけてしまうと、1mmの蓋のガタが生じてしまうわけです。
リレーのパターンしか付いていない状況はこうした設計のミスがあるようです。
対応策としては
- ケースを作り直す
- 背の低いリレーを開発する
- リレーがあたる部分のアクリル板のみ削る
- なんとか押し込む
以上のものから現実的な案の4を考えた末に、LED表示器のケース足を切ることで高さ方向にゆとりを変形を許容しながらも出来そうだということで一旦半田付けした両面実装を崩してこんな形にしてみました。
アクリルLED時計の開発環境の構築 (2)
アクリル時計との接続は、P3.0\P3.1へのUSBシリアル変換での接続。CH340Gの中華USB変換が最近の里でのはやりだ。
内蔵RC発振のSTC15F204EAだがシリアルの伝送速度への対応は誤差も少なくて素晴らしい。11.0592MHzを設定しているようだ。
こちらは、本家のSTC-ISP(Windows版)で、Windows10でも動作している。書き込み速度は115200bpsでハンドリングしていたので4kBほどのサイズはあっというまです。
書き込みをしてる過程で、静電気故障と思われる症状でUSBシリアル基板と書き込み対象のSTC15F204EAがお亡くなりになったようだ。どちらもチップの買い置きはあるので再生はするものの取り扱いには注意したほうが良いのは改めていうまでもない。
アクリルLED時計の開発環境の構築
長らく扱っている、アクリルLED時計ですが、基板の版も新しくなりハード制御を学ぶ教材として使うのにも良さそうです。時計からアラーム出力ということで、リレーが搭載可能というスベースが追加されています。
利用したい方には、ソフト開発の挑戦が待っています・・・・
容量サイズの制限もあり、学生さんが腕試しをするのにも良さそうです。
8051系のSTC15F204EA 4kBのチップです。
Ubuntuの上で、開発ツールがオープンソース環境で構築できるのは素晴らしいですね。
SDCC 8051サポートもあるコンパイラでSTC15F204EAも対応
書き込み系ツール stcgalはpythonで書かれたSTC社のサポートツールのオープンソース版で、BSL経由でシリアル書き込みが可能となっていますが、まだUbuntuでの確認はとれていません。Windows版はSTC社のツールstc-ispが使えましたのでこちらで書き込み確認は出来ました。Linuxだけで完了させたいところです。
SDCCは、すでにapt-getでインストール出来る時代になっていてこれでアクリル時計のgithubプロジェクトをコンパイルして書き込み動作確認までとれました。リレー拡張部分へのUI設定の追加が必要です。今はメインループでブザーのようにon/offを繰り返すコードになっていたのでまずは、修正しました。
ニキシー管入荷しました (IN14)
ニキシークロック保守パーツの件
ニキシー管をつかった時計キットを作る機会があった。設計された方がチェコの方だったこともあって使われていた部品が少し見慣れないものだったので記載するとともに若干の予備在庫を手配した。githubでソース公開されている。
Arduinoベースでハードが設計されているので、Arduino UNOなどATMEGA328が搭載されている環境でチップ書き込みを行い、ソフトとハードの差異を埋める作業をしていた。基板のRevと説明書のRev相違などが課題だったが、基本的にArduinoに200V程度の高圧発生回路を登載し、フォトカプラーでATMEGAとは分離してKM155経由でニキシー管をダイナミック点灯します。高圧発生回路は、これがベースとなっていて555の代わりにATMEGAでソフト制御をしているということだ。最近でも使われているパーツは、基本的に中華マーケットで安価に手に入るが、趣味に走ったレトロなパーツは、そこにはちょっとないという事がわかった。