3Dプリンターの修理と整備(2)

QIDI社製のプリンターはMakerBot Replicator(ATMEGA2560)のオープンソースに基づいて開発されてきたようだが、Xシリーズ(X-One, X-Pro)からはSTM32マイコンに置換されてきている。以下の基板は、左上がX-Oneの物で、左下がX-Proの物です。右下がTECH1(AvatarⅣ)の物です。
X-Proと基板自体は共通で設計されているようですが実装されている部品は異なります。X-Proでは互換機の系譜で始まったビジネスと少し付き合う形の結果としてこれらの基板が残っているので整備して使えるようにしておきたいと思っています。

 

 

同一メーカーなのでセンサーやヒータへの結線コネクタは共通
aliexpress : https://ja.aliexpress.com/item/32803020559.html
アマゾンでも可能

Xシリーズは、保守サービスの一環や試供品などのモデルとして提供されたもので当時流行ってきたコンパクトなシングルノズルの低価格な路線や筐体に樹脂と金属高級感を出そうとしたりといった流れが出てきたものだ。

X-ProとX-Oneではタッチパネルが搭載されて、32ビット化の恩恵でslicerから造形品のアウトラインがハンドルされて表示確認が出来るようなSailfishという世代のソフトに置換されている。また、X-ProではWifiモジュール(ESP1)によりremoteシリアルポートを介して印刷できるようにもなった。slicerソフトの改版とこうした機器側の改版とが相まって若干の矛盾が生じていたようにも思い返す。

TECH1の整備と併せて、これらの2機種用の基板についても改修整備をしておこうと思います。Wifiモジュールが搭載されていたのかどうかは不明ですが当時の設定情報などについて中華メーカー担当者とやり取りをさせていただき確認をしたので引き続き進めたいと思います。Wifi印刷は便利そうな反面USBメモリでバッチ処理をさせたほうが安心かなという気もしています。

 

ポップコーン作りのサポート道具

業務スーパーでは、ポップコーンの材料をいろいろと売っているようだ。地元で手に入るものは150g入りのパックで一回の目安は自宅では50gが鍋のサイズからは手ごろなのだが、作る際に計量するのは面倒くさいという愚痴を細君が漏らしていた。

二回やると最後の一回はそのままで50gなのでそのまま使えばよいのだが、とりあえず解決策として重さではなくて三等分する道具を作り、そのまま保存容器にできるようにすることにした。

150gの分量は容量では180mlだったので、60mlの容量になるように設計した。三次元CADでは適当に設計した底面の面積も計算してくれるので、高さは60mlから割り出して適当に余裕をみて蓋が回るときに当たらないようにした。

3D設計と3Dプリンタ出力に必要な環境など

組み込みの里では三台のプリンターがあります。QIDI社のTECH1, X-ONE, X-Proです。これらのプリンターから出力を得るためにはSTLファイルやOBJファイルといった3DモデルのデータをQIDI社から提供されているQIDI printなどのスライサーと呼ばれるソフトウェアを使って行います。

ご自宅であらかじめ、3Dモデリングなどを行われる場合にはAutodesk社が提供するFusion360やTinkercadなどのフリーのモデリングソフトを用いるのが、情報収集含め良いかと思います。むろん有償の良いソフトも多くありますが初めの一歩としてはふーな環境が始めやすいですよね。

ご自宅のマシンの環境がMacであったりWindowsであったりする場合にもこれらのソフトウェアは対応をしていますが、Windowsの32ビット環境ですといろいろと制限がございます。造形設計を行う場合、旧来あった123Designは32ビット環境で動作していましたが、サポート終了となりダウンロード先はなくなりました。後継のソフトとしてはTinkercadがオンラインソフトではありますが32ビット環境でも動作します。ネット接続とアカウント登録が必要です。

組み込みの里の古いパソコンは32ビットのものもありこちらで動作確認しています。

Fusion360資料整いました

CNCエンドミル(QT100) や 3Dプリンターの造形データの作成に必要なツールとしてクラウドベースのFusion360の人気が高まっています。CUTシステムから出されている解説書のスーパーアドバンス編、CAM・切削加工編を図書に加えましたのでご活用ください。

X-ONE 3Dプリンターのモータードライバー調整

QIDI社のX-ONE 3Dプリンターは、低価格モデルだがしっかりとした作りとなっているものだ。

少し大きな底面積の造形を行ったところトルク不足が起因と思われるズレがY軸方向に見られたので、各軸のモータードライバーの電流設定を行うことにした。以前サポートに問い合わせをしたところこの調整方法については開示してもらえなかったので搭載しているモータードライバーを制御基板を外して確認した。

コストダウンの目的でモータードライバーも基板に実装されていて交換は不能となっている。また制御CPUはSTマイクロのSTM32F103ZEで大型フラッシュ内蔵だ。

A4988などのレファレンス通りに作られていると仮定するとポテンショメータの中点がレファレンスとなるはずで、どこかに電流測定用の低抵抗がシャント抵抗として実装されているはずだ。

大きなヒートシンクを外すとR100と書かれたチップ抵抗が二つ見つかり、これがシャント抵抗0.1Ωだ。チップのマーキングからA4988だということも判明。

パターンを追いかけたところ、ポテンショメーターの中点ではなくて右下側がレファレンス電圧ということが分かった。

X-Y軸のステッピングモーターはNEMA17の42×38サイズのものなので定格電流は1.7Aなので7割くらいで使うとして、レファレンス電圧で1.00Vにしてみた。1.25Aだ。QIDIグループで得た情報では、X-Y軸の設定電圧は0.62-0.66Vということだ。0.775-0.825Aがお勧めというのはトルクは抑え目で発熱などのトラブルを回避したいということのようだ。

3Dプリンター Y軸スリップの要因考察など(1)

里にある最新の3Dプリンターは、1ノズルのこの機種だ。2ノズルの上位モデルよりも下位機種のこのモデルはコントローラもCortexMで強力で表示もカラー3D表示を行いタッチパネルでATMEGAの上位機種よりも高機能となっている。

いずれにしても、3Dプリンターの性能としては安定動作が続くのかどうかが課題なのだが、そうした点では、まだコストダウン競争のせいなのか未だ及第点を出せるようなものではないような気がしている。

 

      先日、従弟からいただいた革の小銭入れにレーザー加工でイニシャルを入れたところ、細君も気に入ったようで、細君の温めていた自作の作品が出てきて、イニシャルをいれることになった。

前回は、フォーカス距離を適切にしなかったこともあり今回はシャープな文字を出そうと考えたのだが・・・

 

彼女の作品は、厚みがさらにあってレーザー加工機のヘッド保持機構が挙げられないことが判明した。

その保持部品はアクリルでレーザー加工されて作成されているのだが、5mmのアクリル板を加工できる高出力な加工は出来ないので、3Dブリントで作ることにした。

この部品のスリットになっている部分を上に20mmほど伸ばして、取り付け位置のビス穴は現在のままで全体の高さをこちら側だけ延ばすことになる。

ノギスで穴径サイズや長さなど主要な項目を測り3Dデザインのソフトで2次元の図を描いて、5mmの厚みに押し出すわけだ。適宜角を丸めたりもするのだが・・・。

簡単な加工で直ぐに出来るつもりだった。

 

しかし、印刷途上で各層単位でずれて斜めになるという現象が生じた。ずれた方向はY軸だ。考えられる要因の一つは、レベル設定がとれていなくてY軸において水平がとれていないことが考えられた。調整を取らずに始めたことを思い出して、レベル調整をしたうえで、トライしなおしたが同様な斜めの結果となった。

 

3Dプリンターの切り分け方法の一つとして印刷速度を下げて見るということがあり、80mm/秒で出力していたのを60mm/秒まで下げて見た。

今度は、斜めになることはなくて、ある程度の段階で大きくずれるという現象となった。印刷速度以外に、ノズルから樹脂を出さないトラベル速度というものがあり、これが100mm/秒となっていたことを50mm/秒に下げるということを設定して現在トライしなおしている。

3Dプリンターでのこうしたトラブルは、コネクターの圧着不良だったり、移動するヘッドに搭載されているモーターへの配線材料の可撓性が悪かったり、配線の保持に無理があって移動を繰り返す際にストレスがかかったりして断線を引き起こしたりもするようだ。最近の3Dプリンターでは、フレキシブル配線に切り替えたモデルもある。なにせ中華材料での線材の品質としては柔軟性には少し疑問が残る点もあり、見直すべき点とは思う。

しかし、今回のケースはY軸のモータへの配線がおかしいか、Y軸のモータードライブ能力が不足しているかの点であり、実はY軸のモータは固定されていて移動しないタイプの実装となっているので、その点からは配線材料の問題ではないと考えられる。トラベル速度を低下されることで解決になるとすれば、モーターの駆動トルクが不足していて長い距離を高速で移動した際の慣性を十分にコントロールできないということが理由かとも思う。

ステッピングモーターの保持力は、ドライバ基板での電流設定で決まるので、その設定値を確認することが次の対策となりそうだ。いずれにしてもモーター配線ケーブルの品質については何度かトラブルになっているので交換しておくにこしたことはないのだが・・・。

とりあえず課題認識したうえで、別のマシンで出力して、目的の皮作品へのネーム入れは出来るようになった。

 

 

 

 

 

 

サークル時計のケースを作ってみた

残り物のABS材料で足りるかと思ったが足らなかったので余っていた中途半端なフィラメントで息継ぎをしたところ、結局サイズ間違いが見つかったので作り直しになった。

 

 

 

 

 

新しいフィラメントで気を取り直して出力する。ABSなので取り扱いは、楽だ。

PLAの保管箱の乾燥剤のメンテナンスは必須で、吸湿してしまったフィラメントはボキボキと折れてしまい使うものにならなくなる。

さて、サークル時計の上側の基板は欠きとって目覚まし時計の雰囲気になった。

 

 

 

データは、Thingiverseに上げてあるが、時計キット自体が似たようなものでも差があるので、ビスの穴位置は手持ちのキットに合わせていただく必要があるかもしれない。

 

 

 

 

 

 

 

残りも

3Dプリンターノズルクリーナ整備

組み込みの里では炭化するタイプのPLAをめったに使わないのと温度も低めにしているのでノズルが詰まることはなかったのだが、最近PVAフィラメントを使う際にABSと混在してDualヘッドマシンで使用しているとGcode生成において温度差を設定できない版だったことから問題となった。現在はMakerware3.xに上げることで解決をしたのだが、この際にヘッドを外して細いドリルで樹脂を取り去るのだが刃が細いこともあって扱いが難しかった、

 

Aliexpressでは、ノズルクリーナーとして写真のような、みたことのないタイプが出ていたので入手してみた。詰まった際にヘッドを温めておいて下からこのニードルを突き刺すのだろうか、炭化してしまった材料が中に残るのでそれはまずいのかもしれないが、万力で咥えておいてトーチで加熱して上からニードルを使うというのが正しいだろうか、ドリル刃よりは扱いが楽そうだ。次回困った時に活躍させたい。

ヘッドを加熱設定にしておいて、したからニードル(0.4)を使ってみました。

 

 

 

 

 

 

 

このニードルセットには、以下のサイズがついてきた

3Dプリンターの動作確認補修

補修用に預かったプリンターX-ONEモデルだが、特に問題も見受けられない感じでこちらに回されてきた。といっても、ここは修理センターではないのだが、中華メーカーの購入やり取りのご縁なのか依頼のような形で送られてきたり、問い合わせのメールが転送されてきたりする。英語でのサポートを中華メーカーとやり取りするのが大変なのだろうけれど、この時代はそれを良しとしたうえで、安価でグローバルな機器が手に入るというものだ。無論。無線LANなどの電波を発信する機材では国内の機器認定が通っている必要があるのだが、3Dプリンターの場合多くは無線LANまでは搭載されていないので大丈夫だ。

 

梱包の中身を紐解いてみても、特に開梱した雰囲気もない。AMAZON FBAで返送になったというものでもなさそうだ。一応国内のお客様からの直接の送付でタグには返品と書かれている。何をもって返品したのかが気になるところではある。まさか、爆買いの旅行者のようにMADE IN CHINAだったから受け取れないと思ったのなら、3Dプリンターの市場はすでにPC時代の台湾のような状況に中国大陸がなっているのでお門違いだ・・・。

 

 

 

案の定、テストプリントでこちらのフィラメントを使ってみたが安定に綺麗な出力となる。気になっていたモーターケーブルの断線しかかりもないようだ。
plaフィラメントで試したので、プレートのPCグルーの接着力は40度という温度ではちょっと悪いようで、スティック糊を使った。返送前にアルコール拭きをしておこう。スプレー糊が使い勝手は良いのだが、預かり品なので飛散するのは避けておいた。

年明けには、引き渡しが出来そうだ。

 

クリスマス用のデコレーションを3Dプリンターで作ってみる

秋葉原で電子工作スペースを運営しているアセンブラージュさんが、アキハパラ キラキラ化計画というイベントを企画されている。参加された方が実際に電気街でクリスマス期間に使われるイルミネーションを作成するワークショップで、作成物は展示期間後に渡される形だそうです。ヒューマンネットワーク高専としてアセンブラージュさんの応援をしているので、普段やっていることで何かお手伝いできることはないだろうか考えて材料を探していましたところ。

100円均一ショップで売っている耐震ジェルを見つけました。6個セットです。

%e8%80%90%e9%9c%87%e3%82%b2%e3%83%abこの粘着性の柔らかい樹脂(エラストマーゴム)はサイズが25mm四方で厚みが3mmというものです。

間に紙でアイコンを切り抜いたものを挟み、横からLEDで照明して両サイドからアイコンが照らされて浮かび上がるという作戦です。

 

image使うLEDはフルカラーでシリアル制御可能なWS2812Bの基板実装済のもので、10mm径の円盤で厚み3ミリというものです。

IchigoJamでの制御可能にするという課題についてはIchigoLampというパッケージをLPC810に焼きこむことで対応するというのが槙野さんところでの方針らしいので、それに準じます。

img_80691とりあえず、エラストマーゴムと基板二つを挟み込む樹脂パーツを3Dプリンターで試作してみました。

 

 

 

 

 

 

img_80611基板の実装イメージはこんな形ですが、給電配線は方向としては、間違いで中に向けて入りと出の双方でY字を描くようにするのですが、まずは点灯してイメージの確認です。

 

 

 

 

img_80591でこんな感じです。

しかしながら、実際に試作したケースでは、この太い給電線を収容できなかったので・・・img_80672ワイヤリングペンで配線することで、まずはアイコンを挟んで照らすことを評価しましたよ。色を変えてみてもよさそうでした。

コントローラは、とりあえず、ArduinoにNEOPIXELのスケッチを入れて評価しました。

収容部分の給電線の余裕をみた形にして3D設計しなおして作成したものは、こらちにUPしてあります。

エラストマーゴムは粘着性ですので、表面にもゴミが付きやすいのですが、この用途に限っては汚れてもグミのような感じになるだけで、照明の結果としては透明よりも良い感じになるようです。

むろん取り外して洗えますので、問題はないです。img_80661

嵌合に使用したネジはM2の8ミリです。
IchigoLampやArduinoなどからの給電能力から考えると、このペンダントとしての連結制限は6個くらいかもしれません。(12個のWS2812B)

輝度を下げる指定をすれば増やすことは可能ですし、別電源で供給するならば問題はありません。

作成しました3Dプリント部品やWS2812の基板については頒布いたしますので、希望者はお知らせください。