再生 Dualヘッド3Dプリンターの頒布いたします

img_7719組み込みの里では、QIDITECH社の3Dプリンターを二機種導入していますが、このメーカーとのつながりでユーザー着荷時点で不良に陥っていた手戻り品の修理を条件に安価に提供をうけるという話が持ち掛けられました。里の機種では、写真の右側の黒いモデルです。

 

 

Amazon FBAから届いたマシンは、写真のようにきれいに梱包しなおされていました。

故障の内容は、確認したところX軸の動作が動かないというものでした。

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ドライバーは故障していない模様で、可動部であるモーターユニットとの間の4芯ケーブルでの配線が断線しかかっていました。

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プリンターには予備のケーブルが同梱されていましたので、こちらを付け替えて、仮組で動作確認が取れましたので、試験印刷としてPLAでの出力を行いました。

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この修理完了品は、USED扱いの品物ですが、金属フレームでしっかりとしているプリンターです。故障問題については、可動部分への配線系統の断線しかかりが発生しておりました。このモードの故障については、同一メーカーの別機種でもわたくしは遭遇していたことから、この適用線材の不適合が考えられます。
Amazonでの他機種の評価も含めて、完成度の高さについては他メーカーよりも良好とです。次回故障した場合には、まず添付のケーブルと交換するのがお勧めです。
オリジナルはMakerbot社のReplicator Dualですが、互換機としてはほかにもFlashforge社のCreatorProがあります。価格は、Amazonでの新規購入では、8万円ほどです。

再生品として5万円で提供いたします。

メーカーQIDITECHからは、サポート対応については通常通りに行いますということです。サポート窓口はネットでの電子メール経由となりますが、対応も早くて信頼がおけます。

ただし設置組み立てに必要な資料は、同梱されているSDカードの中にPDFとして入っていてそれを参照することから始める必要があります。

組み込みの里まで来られる方でしたら、同一モデルの確認や、組み立てまで指導は出来ますので、評価の上で購入されるされないにかかわらず、里の利用料(2H以上とおもわれますので1000円)でサポートいたします。

MakerBot社の Replicator Dual互換機なので設定は、それを選択してください。

付属品 組み立て説明書・制御ソフト同梱のSDカード Mac/Windows

保守パーツ、スクレイパー、糊、モーター配線、センサー配線、プレート固定シート、電源ケーブル(3Pin)、フィラメントスプール、予備ファン、モータードライバー、PLAフィラメント 1kg、ABSフィラメント 1kg

アマゾンで新品は販売されています。

 

 

 

 

3Dプリンタで異径ジョイントを作った

img_78291古い一戸建てを購入して内装を保守して組み込みの里としてラボとして整備してきたのだが、台所のキッチンセットはそのまま使えそうなので使ってきた。

大掃除を始めたところ、シンク周りで臭うという話が出てきて普段蓋をしていると気づかなかった配管工事の課題が露呈していることが判明した。

問題となった箇所は、台所のシンクの下である。写真のように、左右のシンクからの排水が、排水マスのパスに対して結合してさしてある。測ってみるとマス側が65ミリほどで蛇腹ホース側は32ミリほどだった。とはいえ、使っている現況では、単なる異径ジョイントがあってもさすことができない。テーピングで工事するという方法も確かにあるのだが、欲しいサイズの開閉可能な異径ジョイントがあれば問題は解決するのだ。

img_78281まずは、異径ジョイントそのものを設計した。その後、分割してヒンジ部を作り結合した。結合に際しては、組み立てる状況を考えて一部の補正が必要になるのでよく考えることが必要だ。ヒンジの配置で径が狭まるのも困りものなので3D設計画面で吟味をしておく必要がある。印刷する前にデバッグをしないと印刷時間が必要なので、ここは重要だ。

 

 

img_78301おかげで製作したものは一発回答だった。ヒンジもスムーズに動作して設置しにくい場所だったがスムーズに設置してテーピングせずとも十分な臭気シールドが出来た。

一応データはThingiverseに登録した。

http://www.thingiverse.com/thing:1819229

このパーツの目的は臭気シールドなので強度的には問題ないのでPLAでも十分なのだが、新しくMakerwareを入れた環境で試験したのでABSが装填されていたQIDITECH社 Avatar4(TECH1)を利用して出力した。密度は30%ほどだったが、フィラメント供給が安定しなかったようで少しスカスカしていた部分はABSの接着剤を塗布して補強した。

Robo3D Autolevel不良動作の理解

以前とても悩んだ、Robo3DのAutolevelingでの不具合動作があったのだが、原因が不明のまま解消していた。そして今回それが再発したのだった。

Robo3Dに搭載されているReprapの制御ファームウェアはMarlinなのだが、自動ゼロ点調整で9か所測定して補正をかけてということなのだが、計測する都度においてプレートまで下がらずに途中で打ち切ってしまい、前列から後列に向けてのプロットごとに徐々に高くなっていくような動作になってしまっていたのだった。

reprapでは構造上二つののZ軸モーターをパラレル運転して吐出口(x軸構造)のフレームを持ちあげるのだが、Robo3Dでは、このフレームを支えている部分(Z軸)に宙づりになっている検知センサーが双方ついていて、ノズルがテーブルに当たりそれ以下に下がらなくなった場合には、この宙づりセンサーが上からフレームに挟まれて検知するという構造になっている。

一般的なモデルでは、ノズルブロックにオートレベル測定時のみにセンサーを下げるメカを搭載していて検知するということになっているようだ。

さて、このRobo3Dの場合には、左右のZ軸のセンサーが同様に浮いているということが必要であって、そのことはマニュアルで両Z軸を回してノズルを左右に振った位置でそれぞれのZ軸が同程度にセンサーを最下部で押し付けるようにして、結果として同等に浮いている状態を作り出す必要があったのだった。これが中途半端になっていると上がる過程下がる過程であっても不用意にセンサーが検知することになりAutolevelingが失敗する原因となっていたのだった。

下の写真がセンサ(マイクロスイッチ)支えている部品が、X軸のフレーム部品から懸垂していて、さらに長めのナットの部分で上下に稼働するになっていて、ノズルとプレートが当たった場合にはフレームが止まり、センサーだけが下がることでセンスする。

次の動画を見てもらえれば、通常の動作はわかるかと思います。

DSC_0463 DSC_0464

スムーズに左右のセンサーが下りるようにするには、確実に懸垂されている状態にしないといけないわけですね。左右のバランスがずれていると懸垂が浅いほうが上下動の途中で検知してしまうことになります。

 

Robo3D 動作停止現象の対策

3Dプリンターが三台体制になり、Robo3Dについても軽量Extruderドライバに入れ替えて大型出力を高速に出せるようにと改修してきたのだが、突然停止するという現象が起きていた。

現象からみるとヒートベッドを110度といった高温に上げる際に、起きているように見えていてセンサー側の固定不良(落下)などについては前回マフラーなどに使う高温パテを使ってセンサーを背面に固定するように変更していたので、その問題ではないことが判明。

次に思いつくのはヒーターを駆動しているFETの故障だが、主にこのヒーター制御を行うFET(P55NF06)の放熱不足が原因で、これが劣化していて故障しかかっているのではないかと思われ、RAMPSカードのヒートベッド用のFETを外してトランジスタアナライザーにかけて特性確認をしたところカーブトレーサーの結果からはFETとしてゲート電圧で制御しきれていない状況が確認できた。

p55nf06l

bad

 

予想通りの特性

 

 

good予備品は、少し電流が多く制御できるL品だったが、これがゲートで制御されているという形ですね。

一応放熱器を手配しておき早期に取り付けるようにしたうえで、このFETを交換することで解決をみた。

メガネのフレームを壊して接着をあきらめ3Dプリンターで再生した件

不注意で眼鏡のフレームを壊すことが続いた。最初はレンズが保持できなくなったので、レンズが使える同じフレームが手に入ったのでフレームの交換作業をしてもらった。

そして、眼鏡をはずさずに、寝ていたらしい朝、気が付くとポキッと手元で音がした。ツルのヒンジの根元で折れていた。

img_7746アクリル接着剤、エポキシ接着剤、瞬間接着剤と種々試して結局、こんな小さな且つ力のかかるところを接着する方法はないことに合点するまでに無駄な時間を要した。

そして、ふとプリントしてみることにいまさらながら気が付き、データを探してみると、すでに先人の方たちが作られていることが世界にはいらっしゃることが分かった。

 

MakerBotの運営しているThingiverseで”Eyeglass”で検索して得られたのは、この事例だった。

 

 

ヒンジの構造の部分だけをいじって対応したところ、

imageとりあえず、一時しのぎになりそうなものが出来た。ただし、しばらく使っていると付け根の角度が広がりすぎたり、ばね性がないことなどからしっかり作成しなおすことにした。

 

PLAで作成して、RAFTとサポートを指定して作ったところ潜水艦のモデルでも作っているのかといった印象のものが出来た。

現物から実測して、必要なところは押さえたので再現性はできている。ヒンジから離れた部分は、コンロで熱して成形した。

FreeFitシリーズの015というモデルだそうですが、ほかでも使えるかもしれません。123D Designのデータも含めて、Thingiverseに登録してあります。眼鏡市場さんで部品が届くまではカスタムメガネの状況で使うことにしました。

img_77511左右共に変更しました。スリムバージョンです。

3Dプリンターでの出力から仕上げの実例

携帯電話の充電スタンドアダプター台の場合

Xperia充電台カスタム

Xperia充電台カスタム

img_7647 STLデータをgcodeに変換させてSDカードを読ませると内容が確認できます。進行状況はパーセント表示されます。
img_7689 このケースでは、立ち上げる形で出力しました。

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底面側から、ひげと爪の垂れ下がりが見えます

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カッターでひげと垂れ下がりを除去

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壁面に残るのはひげは、ノズルが移動する際の名残なので、スライサー次第で異なります

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PLAでのひげ修正は簡単だ

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Xperia Z3 Compact サポート時代の最終モデルでした

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厚み10.8ミリのアルミフレームケースです

[解決] X-ONE プリンターX軸振動問題

小型ローコストモデルとして導入したQIDITECH社のX-ONEプリンターだったが、保温カバーなどの部品を作成して整備が完了した後に問題が発生した。

X軸の動作が振動を繰り返して動かなくなったのだ、問題の切り分けでモーターの付け替えなどを行い負荷の軽いモーターでは動くような状況でもあったのでモータードライバーが逝ってしまわれたかと思われたが、あいにくとこのX-ONEプリンターでは制御基板が新規開発となっていてモータードライバーがユニットではなくて直接実装となっていて交換不能なのである。

現象をビデオにとりQIDITECH社のサポートとやり取りしたところX軸のケーブル不良だと思われるということだった。切り分け段階でケーブルの導通検査はしなかったので小さいモーターで動いた条件が切れかかりのケーブルが使える状況だったのかもしれなかったのだが・・・

週末作業がいったん切れたので持ち越しとなり、ケーブル送付をしたので確認してほしいといわれたものの、ケーブルの確認をしてと断線がなければ、その報告をすることにした。

img_7641これが問題のケーブルでモーター側にPHコネクターの6極と、基板側にXHコネクターの4極となっていて、どちらも組み込みの里の在庫品だったので基板側コネクタと嵌合させて導通試験をしたところ確かに4線のうち一本が断線していた。

四芯のシールド線の在庫もあったので、同じ長さのケーブルを用意してXHとPHの圧着端子をつけた。この作業には、SN-01Bの圧着工具がどちらにも対応できた。

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シールドは不要なので熱収縮チューブで末端処理して交換した。メーカーからの交換パーツが来るまでの代用品です。

モーターの動作が確認できて振動問題はなくなったのだが、ドライバーの出力調整は必要だったのでマニュアルモードでX軸の動作をさせつつレベル調整を行い動作修復を達成した。

 

3Dプリンターでのケーブル配線は移動に伴い撓みと伸長が発生するので線材の材質やコネクターの圧着状態なども問題となるようだ。ドライバー故障以外の故障モードを学ぶことが出来たのは収穫だった。

予備品のプリンターについても考えたが、実際はモーターの出力を抑えた設計をした場合にはモータードライバーがユニットになっていなくても問題ないのかもしれない。

ちなみに上位モデルのコントローラではモジュールとなっているので、このエントリーモデルはコストダウンと性能追及を両面から図っているようにみえる。Amazonジャパンにも在庫して出荷する体制をとっているのも彼らの戦略のようだ。

img_7646さっそくXperia Z3 Compactのドックパーツを作成したところきれいに出来上がった。アルミフレームのケースに替えたので幅が標準のものでは合わなくなったのである。

動作確認の報告をQIDITECH社には伝えて、見立てが正しかったことと、こちらで作ったケーブルも写真で見てもらった次第だ。

長年携帯技術サポートの仕事をしてきたので、不具合対応をしていて最後動作してしまうとサポート側に返事が来なくなる体験をしていてサポート側としては最後までうまくいったのかどうか知りたいということを感じていたので報告を惜しまないのです。

3Dプリンターの保温カバーを作る Part2

新型3Dプリンターはメタルフレームでしっかりしているのだが、外気温に左右されるABSなどのフィラメントを利用するには無防備な構造で簡素化されてコストダウンされてもいる。

Robo3Dの保温カバーで作成した技法を活用して仕上げることにした。透明度の高いポリカのブラダンを購入しておいたので利用してみました。

imageこれがブラダンとアクリル板で作ったRobo3D用の保温カバーです。

 

 

 

 

 

 

ここからが、新しい3Dプリンター X-ONEの保温カバー作成となります。

作成した3Dパーツは、Thingiverseのリンクに公開しています。

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QIDITECH社のX-ONE

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右手がQIDITECH社のAvatar IV

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左右と前面の開口部は周囲の厚みが異なるので二種類の留め具パーツを作成した。

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二段構成になっているのが前面用で、一段構成が左右開口部用となっている。

開口部のサイズは、ブラダンの幅でちょうど間に合うものだった。

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上部の開口部にはピッタリおけるようにコーナーに配置するパーツを作り、カバーと接着することで実現しました。

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今回は透明度の高いポリカ中空ボードを利用しました。正面からは透明度も高くて使いやすいです。ブラダン用に作成しておいたジョイントパーツを活用しています。角度のある部分については今回追加で開発しました。

 

[MatterSlice] 100%指定でもInfilされないケースがある

dsc_0646床下換気口の遮水カバー作成中に発見した問題ですが、3mm厚みで作成しようとしたところ、内部に空洞がある形で出力されました。この条件では、内部も両サイドからの樹脂でつながるという判断をしてしまうようです。

強度を求めようとして作成したものでしたが、3mmというものが微妙だったようです。

ノズルは0.6mm Volcano E3D
積層厚みは0.3mm

[出力不良対策]新型Extruderに切り替えてからの顛末

imageRobo3Dプリンターの出力環境改善で導入した軽量パンケーキモーターを搭載するExtruderユニットを装着して安定化するという報告をしてから、発生していたことについて書き記します。

sense2 埋め込み型温度センサーにも変えてセンサーのストレス対策なども講じましたが、配線系統の断線をしらせるエラーが生じたことから、インタフェース基板からのセンサー配線系統を一式やり直すことにしました。

 

 

また、センサーとの接続部のコネクターには、安定化の目的から配線中継用のSMシリーズコネクタを採用し、三年前の購入以来のセンサー交換などで積み重ねられた延長や途中交換を経たセンサー配線を一気通貫でやりなおしました。

 

dsc_0638ですが、まだ残る問題がExtruderのフィード不良が起きていました。動作をみるとドライバーの駆動力不足でモーターが脱調していました。

安定にフィラメントが駆動されないことの確認は、出力の表面がざらついていることからもわかります。注意深く現象を監視しているとExtruderのドライブギアが空回りして振動しているのが確認できました。

 

 

 

dsc_0639ドライバーユニットの駆動電流不足だったようで、設定値を調整して安定に出力動作が進むようになりました。

先日からの大雨で床下部分の換気口から浸水が発生したので、そうした不測の事態をさける目的で遮水カバーを作成しています。