西山 茂丸 について

組み込みマイコンでエンジニアを続けてきました。今の時代で見えない部分についても体験してもらってより深い理解を得てもらいたい広報教育活動をしています。

Hygain DX88は3Dプリンターで復活するか

image昨年9月に再建したばかりなのだが、この怪しげな季節を越えた暴風でアンテナが倒れてしまったのだ。全長7mほどになるDX-88は自立型で耐風速34mとのことなので35m以上の暴風圏に曝したということなのだが、ここ木更津も沖縄や小笠原並の暴風圏なのだろうか。

写真で解かるように、このバーチカルアンテナは可倒式のマウントにつけているのだが、毎回使うときに立てようとはいかずに今回のような事態で破損するということに陥っている。

前回の破損についても同様な形で強度的にはいつもベースマウントが壊れるようになっていた。毎回ベースアセンブリーを一式交換していたのだが、三度目になると対応策も進化する必要があると考えて、今回は曲がってしまったマウント部以外は自作対応することにして3Dプリントで破損した硬質ゴムの部品をナイロン樹脂で高密度出力し、かつ厚みをますなどして強度を高めることが出来るかどうかの挑戦をすることにした。当初は、ABS樹脂を考えたが、耐候性の点でABSは紫外線劣化が激しいということだったので手持ちのナイロンフィラメントを活躍させてみることにします。

ことの発端は、DX88の手配間違いで、ベースマウント部品のみの手配をしてしまったことが原因なのだが、なぜこの部品だけHygainのサイトでそのまま補修リストとは別に出てきているのかは不明だ。すでに二回ベースアセンブリーを手配してきたのだが、今回は間違えてマウント金具のみ手配してしまったので、この部品をベースにじっくり攻めてみよう。

とりあえず、最初の設計はThingiverseにあげてみた。
マウント金具が届くまでに部品は仕上げておこう。

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もげた給電点もつけて、修正対応の全容を把握

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ベースエレメントとこのパーツを介して接触して内部でM同軸雌座に接続されていた。

ニキシークロック保守パーツの件

imageニキシー管をつかった時計キットを作る機会があった。設計された方がチェコの方だったこともあって使われていた部品が少し見慣れないものだったので記載するとともに若干の予備在庫を手配した。githubでソース公開されている

Arduinoベースでハードが設計されているので、Arduino UNOなどATMEGA328が搭載されている環境でチップ書き込みを行い、ソフトとハードの差異を埋める作業をしていた。基板のRevと説明書のRev相違などが課題だったが、基本的にArduinoに200V程度の高圧発生回路を登載し、フォトカプラーでATMEGAとは分離してKM155経由でニキシー管をダイナミック点灯します。高圧発生回路は、これがベースとなっていて555の代わりにATMEGAでソフト制御をしているということだ。最近でも使われているパーツは、基本的に中華マーケットで安価に手に入るが、趣味に走ったレトロなパーツは、そこにはちょっとないという事がわかった。

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IRF740

400V 10A TO-220 N-CH MOS FET IRF740 @30

UF4004 D41

高速リカバリー 400V 1A UF4004 @8

817C1801

フォトカプラー PC817互換品 @5

74141

ニキシー管駆動用のBCDデコーダ兼高耐圧ドライバー SN74141は既に生産中止品で、写真上はKM155という互換品でロシアで製造されています @450 写真下は市中在庫なのか中華互換チップかは不明 @140

ATMEGA2560補修電源チップ入荷

NCP1117

NCP1117ST50T3G On Semiconductor @35で Aliexpressからだった

LDO電圧レギュレータ 2200mA, 5 V 固定出力, 最大20 V入力, 3-Pin SOT-223

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修理を必要とする予備のATMEGA2560たち

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表面実装部品の取り外しには低温はんだのLEO Eco solderで対応します。 安くて便利・・・

 

3Dプリンターのセルフプリント対応で確認

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128×64のグラフィックLCDにSDスロット、ロータリーエンコーダが付いている。 ケースは、こちらで3Dプリントしたもの。

里にある3Dプリンター(RepRap)にスマートコントローラを取り付けてg-codeをSDカードで与えてパソコンクライアントから離れて、それ自身で印刷出力が出来るので、手配してあった機材をつないでみた。接続してすぐに動作するかと思ったのだが、予想に反して入手してあったスマートコントローラがグラフィックスタイプだったため、表示しないことが判明して必要なライブラリをArduinoIDEに取り込み、プリンタ制御ソフトに必要な定義指定を与えて使えるようになった。

従来はPC(Ubuntu)クライアントのReptierあるいはMattercontrolを用いてUSB接続で実施してきたのだが、既報のようにプリンタ制御基板の電源ICが壊れていたことからUSB給電でのみ動作していたことがわかり、このことが不安定さを起こしていたようだった。基板交換を行い、電源容量による問題ではないことの切り分けを行ったのだが、PCクライアント側が落ちてしまうというケースが判明したので、プリンタセルフでの動作を進めていくことにした。印刷ボリュームの大きな出力に五時間ほど要するハンダ吸煙器のスタンド部分を用いて確認している。

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右のパソコン(Ubuntu)はお休みさせている。

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ゆえに、USBケーブルも外してあります。

3Dプリンターの挙動不審の要因発見か・・・?

メカ的な問題、熱的な問題などが解決されて動作安定化の流れにいたものの時折ハングして出力停止に至る事象が発生していたので、プリンター単体でSDカード経由で出力させる運用を試してみることにした。すでにスマートコントローラ(20×4のLCD+スイッチ)は購入してあったので程なく動くはずだったのだが、スマートコントローラを接続してパソコンからのUSB接続をはずすと液晶のバックライトが消えてしまうのだ。5Vが出ていない。

予備のATMEGA2560を変えてみると、また動作しない。三枚目の最後の予備となるチャイナ仕様のモデル(CH340搭載)を接続すると液晶は点灯して5V供給が出来ていることを確認できた。正規品(?)の二枚ともレギュレータがやられていたのだ。いつもPCから接続していたのでわからなかったのだが、やられていたレギュレータをみるとパッケージが膨張しているのが見て取れる。

このチップは12Vから5Vに変換する低ロスのレギュレータで2200mAを供給するというものだが、これが壊れていたとすると、PCのUSBからの電源供給能力に不備が生じていたのは、いたし方ないかもしれない。

NCP1117ST50T3G USD12.14 / LOT  40PCS

Broken1 Broken2

Aitendo 7インチHDMI液晶モニターのケース報告

Aitendo 7inch液晶キットは800×480の解像度でしたので、手持ちの5inchの液晶と解像度そのものは変わりませんでしたが、まあ見やすい文字サイズになった気がします。
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裏の制御基板がむき出しなので、せめてアクリルの保護カバーをかける予定ですが、8mmのM2.6のスタンド待ちです。
ABS材料を使って作りましたので足回りは収縮が見えますが組み立てに支障はなく、連結はABS用セメダインで接着しました。
廣杉計器からスタンドが届いたので仕上げたので写真を更新します。

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チェコからの電子メール

先日作ったニキシー管時計のキットを開発してくれていたチェコの方に、顛末説明をしたところ古い基板での課題について漏れについて再確認してもらえたようだった。まだ古い基板の在庫もあるようなので、今後の方のためgithubの上でソフトウェア更新していただけることになった。

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時計プロジェクトの製作過程などをホームぺージのリンクから紹介したところ、学生たちの研究目的であれば、彼の開発した基板データも提供していただけるそうだ。ありがたい・・・。

間違った基板のまま、学生さんに課題として動作させるというのも教材としてはありかと思いますね。

 

DragonboardにUbuntu (Linaro)を入れて環境構築(1)

(1) HDMIミニサイズモニターを正しく表示させる。

Linaro(Ubuntu)をインストールしたが、ミニサイズのHDMIモニター(800*480の5インチ)で確認すると画面が欠けていてメニューがフルサイズ表示させることができない。

Defaultでは、1024×768, 800×600, 848×480, 640×480の設定が登録されていたので
800×480を追加した。

(2)立ち上げで自動的に設定が整うように、追加手続きのスクリプトをlightdmの設定に追加しておいた。

関連参考サイトはhttps://wiki.ubuntulinux.jp/UbuntuTips/Hardware/HowToChangeMonitorResolution

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(3) キーボードとマウスをPC側とシェアさせる。

synergy &キーボードとマウスをシェアするSynergyを支援しているので、これを活用して接続するのだが、Windows10側には、カスペルスキーが入っているのでセキュリティメニューにlocal portの開放手続きを登録してTCP/UDPの当該ポートの追加、サブネットプライベートアドレスとの接続を許可して動作確認できた。

Windows10をSynergyサーバーで登録
Dragonboard LinaroをSynergyクライアントで登録

2016-03-31

カーソルを右端にすると、Linaro側にワープする。
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64ビットプロセッサがIoTにも登場してきた

Arduinoなどの単機能のプロトタイプを作りこむ段階から、IoTにも高度な演算能力を必要とする携帯なみのチップが必要になってきたということだろう。使い分けが必要とはいえ、LinuxやWindows10などが動作する形で国産勢の姿は、これらとつなげるモジュール群という形に分業が進んでいるようにみえる。中華ボードで見かけた64ビットコアSBC PINE64が$15という価格で気を吐いていると思っていたらRaspberryPI3も登場した。携帯チップメーカーのジャイアントのQualcommからもDragonboard410Cが登場している。

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色々と手を付けなければならないことが増えてきたので順次使用できることから始めているのだが、Dragonboard410CにもLinuxをインストールして使えるようにした。センサーモジュールなどもつないでいく予定。インストールイメージはダウンロードに失敗したもようだったが、再試行で解決した。TCP/IPでの信頼性も最終的にはHashで確認しなければならないというのは仕方のないことだ。

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IoT向けのSBCが、そのままパソコン足りえる状況をみれば、パソコンの事業が空洞化しているのを実感してしまうのも事実だし、Windowsに縛られている必要もないという時代になったことはありがたい。1GHzの携帯マイコンをアナウンスした際に使う必要があるのかという話が台頭したのだが、当時のガラケーモデルに適用したいという日本からの声には驚きの声をもって迎えられたし、その後のスマホ移行で更に普遍化してしまった。IoTに必要十分な性能をもったSBCが提供される時代になり、街角コンピューティングで街の電器屋さんがカスタマイズして使えるようにする時代に向かっているのかもしれない。
メインボードのないパソコンがあるそうだ。LCDと電池とキーボードがあれば、あとはラズパイなどがあればよいというのも新しい流れを示唆している。

IoTには小さな液晶が分相応と考えていると、こうした小さいサイズでのUIが勝負になる時代なのかもしれないが、宣伝ビジネスがここにも登場することは勘弁してほしい。