西山 茂丸 について

組み込みマイコンでエンジニアを続けてきました。今の時代で見えない部分についても体験してもらってより深い理解を得てもらいたい広報教育活動をしています。

(続々)怪しい電子部品 DS18B20

imageさて、困っているセンサーデバイスの不良と、それによってもたらされるキットの対応が問題だったのだが、少し進展があった。

DS18B20は、本来はパラサイト給電で複数のデバイスをつけられるのが売りなのだが、この温度計機能つき時計のようにスポット一箇所のみである場合には、センサーを探索する必要はない。

まず、ここでパスとしているデバイスの検査は既存の時計キットにソケットをつけて交換動作で確認していた。

ところが検査環境を変えてパラサイト給電での試験をArduinoで組んだところ動作しないということが判明した。この点を見直して給電配線を変えたところ、探索ロジックが動作するデバイスがここでいうところのPass品であることがわかり、何らかのパラサイト給電に対するハード資源がおかしいということが判明した

failしていたデバイスもアドレスを指定しない(SkipROM)のコマンドで進めたところ温度センサーとしての動作には問題がないことがわかった。

中国市場で出回っている安い価格のDS18B20は故障モードロットが混在しているあるいは不良で落ちたデバイスが市場に出回っているように見える。使い方しだいで活用は出来るとしても、こうしたデバイスが混入していることを前提にするとものづくりは成り立たないかもしれないが、設計段階でこうしたデバイスを受け入れられることもキット必要なことなのかも知れない。不良デバイスが生き返った

(続) 怪しい電子部品 DS18B20

image先日来はまっている、MAXIMのDS18B20だが今回は、デバイスのみ手配をして時計キットを使って確認してみた。20個を手配したところ、時計に使えるものは四つだけだった。しかも、その4点はアドレス検索には対応できずSkipROMで用いている時計キットでのみ利用可能なものだった。

Fake品が混入しているのか、不良品が売られているのかは解からないがスペック通りに動作しないものばかりというのは絶句してしまう。

 

 

アマチュア無線 無線工作の誘い

IMGP9149開局準備のまま進まない組み込みの里ですが、送信機の調整が出来るように再開をしましょう。アナログな無線機ばかりですが・・・。

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唯一パソコンとつながる機能を持った通信機が、こちらのElecraftのK2だ。転職直後に米国の書店で見かけたQSTに掲載されたキットで100Wまでの出力が出せるフル機能のHFマシンでした。いつかはと、思い続けて自宅建設を機に購入して製作に入りました。

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この冊子が、キットの組み立て説明書です。かつてのヒースキット社が達成していたわかりやすい説明書、そして性能を達成に導くサポートがちりばめられていました。

Kencraft社のQR666も作ったことがあるのでしたが、大規模キットの再興は素晴らしいものです。

IMGP9155K2というネーミングからは、高い目標がうかがい知れます。 よく設計された基板を分散マイコンのPICが通信しながら制御実現しています。

 

 

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シンプルなシングルコンバージョンの形式をとった無線機であり基板の上で連結されたように写っている水晶振動子は、フィルターを構成しています。そして水晶周辺に配置されたバラクターダイオードは、フィルターの帯域幅制御に持ちいるものでした。

 

たくさんのトロイダルコイルを巻き、無線機の製作の楽しみを満喫できるキットでした。視力低下の前に取り組み、この写真の左端にある蓋の部分が100Wの送信アンプです。ヒースキットの製作記事を思い返します。パワートランジスターの放熱に用いる金属が酸化ベリリウムで猛毒なので注意するようにという記述でした。

怪しい電子部品

DS18B20_NG最近悩まされていた中華キットのローテートLED時計の不具合は、電子部品の不良だった。ダラスセミコンダクターの1wireの温度センサーである。トランジスターあるいはレギュレーターと見まごう向きもあるかも知れないのだが、これは本来ならば温度センサーなのである。

アプリケーションとしては、時計が室温表示をするという使い方のである。

 

 

DS18B20_OKそして、こちらは正しく動作する温度センサーである。どこかがおかしいのだがお気づきだろうか。写真のせいもあるのだが、最初の部品は地模様がマットとなっていて、こちらの部品はツルットしているのだ。そしてどうもフォントも違うようだ。

 

 

 

NGOKあやしいデバイスは、1wireのプロトコルに応答してこない。

 

 

そして正しいデバイスは確かに応答してくるのだ。

 

 

 

imageこの怪しいデバイスは、アナログデバイスのフェイク品とみて診断すると、なんとレギュレータだった。中華電子部品には、このような粗悪な偽電子部品が出回っているようだ。キットゆえに、電子部品の検査もせずにリストに従ってパックしてデザインを求めてチップとあわせて売り出すというスタイルのように映る。オリジナルの基板をコピーした写りの悪いパターンだったり色々だが、オリジナルキットからのコストダウンはかくあるべしという勢いがすさまじいようで、株式会社秋葉原でも350円するこの温度センサーに交換して対応したりしている。ネット越しに見える中華市場でのこの温度センサーの価格は60円から300円くらいまでと幅がある。安いものには、こうした怪しげな偽電子部品も混然となっているのかも知れない。注意しよう。

HyGain DX-88 バーチカル復活プロジェクト (2)

image一晩かかりましたが、無事に出力完了しました。
使った素材はナイロンT910です。

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内部は中空にしましたので、サポートが出来ています、ナイロン素材でのサポート部分は固いというよりは強靭でしなやかなために、削るという作業が難航しますが、外すという観点ではABSよりはやりやすいかと思います。毛羽立った内側の部分の処置は、まだ課題です。

 

 

 

スムーズに、嵌合しました。

 

 

 

 

 

 

imageすでに出来ていた部分と合わせて一応完成です。ちょっとフランジ部分が小さいので再修正を次回トライして設置に移りたいと思います。

 

ナイロン910を使ってみた

image左側がナイロン910でAlloy910と呼んでいるようだ。

右側は、やわらかい弾性樹脂TPUというフィラメント。

キャリブレーションサンプルを出力してみたが積層が底部からはがれるような感じだった。設定温度が低かったようだ。250-255度といった範囲で使うようなので上げて今は出力している。

image破断した、バーチカルアンテナのサポート部とベース給電部の部品を作成した。

チューブの内側が糸引きが多く発生したが、まだ対応策は不明。今回はヤスリかけで修正。

電子工作ツールを3Dプリンターで製作する。 

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3Dプリンターの出力精度などが安定化してきたので、ABS材料で懸案となっていた電子工作用のバイスを作ることにした。強度の必要な部品には、充填密度 を高めて対応することにした。以前の試作では、強度不足で自身の機能的に必要なねじ締めなどでそれ自身が割れてしまうという事態に遭遇したことからスライ サーの設定を変更して高密度での出力にした。(通常は25%密度で出力していた)

Thingiverseには、有用な作例が多い。無論、実際に使えるように作るには課題もありプリンターに合わせてカスタマイズしないといけない。

http://www.thingiverse.com/thing:21357 は、写真にあるプリント基板をホールドするように作られたバイスです。強度確保の目的で出力密度は1.00で充填しています。ABSフィラメントですが、0.1mmの積層とプリンターを覆って収縮対策をしながら出力しています。

ここにいたるまでに失敗作はあり、いろいろ勉強になりました。

0.1mmの積層での出力だったこともあり出力には二日ほどかかりました。

 

HyGain DX-88 バーチカル復活プロジェクト (1)

imageHyGain社から、マウントが届いた。

パーツナンバー160043-1 @11.84USD

今回で三度目となる破損は、すべて底部給電点のインシュレーターが破断して、続いて支点となっていた上部のインシュレーターが同様に破断し、マウントが曲がってしまうという状況となっていた。

破断した給電点のインシュレーター底部は、硬質ゴムでしたが、3Dプリンターで使える素材としては強度の点から、まずはナイロン910を使うことにしました。

 

 

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微妙に仕上げ方が違うのはご愛嬌でしょうか。

 

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マウントを届いたものと交換してみた。