業界独り言 VOL203 無線から組込みソフトへ

学校時代の仲間と新年会をした、久しぶりに顔を合わせた仲間達とは互いに心配の残る髪の毛や、眼鏡や人相を変えてしまう白髪の髭やらでの再会ではあったが始まってしまうと気が付けばタイムスリップした時間を共有している自分に気がつく。高専という枠組みの偏った実践中心の技術教育というものを多感な時期にともに過ごした五年間という日々の重みは大きい。大学に進んだものもいたが、当時のオイルショックの後の未曾有の不況という時代も、いまでは笑ってしまうような状況の不況である。土地神話、高度成長などバブル以前のあの時期には産業界が求めていたはずの実践派技術者の就職も途絶えてしまった時期でもあった。

私の母校は国立高専の中でも新しいモデル校のようなところだったので私達の代でようやく五年生までが揃った格好であった。校舎が無い時代を仮住まいで暮らした諸先輩達の思いには届かないが、一期生達の雰囲気を知るインパクトを受けた世代でもあった。高専という進路を選択して文化祭に表敬訪問した中学の時代を思い起こすと赤面するのだが、当時はまっていたアマチュア無線の興味から無線部という展示のところでいかにも高専という感じの雰囲気の先輩学生に出会い憧れて翌年の入部を申し出たことがあった。この先輩という人もかなり変わった人であるのは事実で、入学式のあとで教室の後ろから顔を覗かせて「来たのかやっぱり」と確認しにきたのも懐かしい思い出である。

そんな先輩との付き合いは長く、今では母校で電子回路の教鞭をとっておられる助教授さまでもある。尤も彼は優秀な学生時代の成績からか大学・大学院と進学していつしか電子回路の研究家として教鞭に母校に戻られるまでにいたっている。彼の後を追っかけて西千葉や大岡山の校舎を訪れたのも懐かしい響きで思い出す。アマチュア無線という趣味が嵩じて選んだ進路というわけではないが、不況の中で選んだ電機メーカーでは当時はアマチュア無線の機器も製造していたことがあるようだった。見えない電波を堪能するというアプリケーションとしてのアマチュア無線は当時の知覚的な刺激をかなり満たしてくれたのは事実でした。今ならばさしずめパソコンがそうした刺激を満たしてくれるものでしょうが。私にとってはモールスの響きやノイズの中の信号に心躍った日々でした。

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業界独り言 VOL202 最後の詰めで間違える

永い年末出張のあと、永い冬休みを取った。といっても、それぞれ二週間の話しであるのだが・・・。足掛け五年目となる年に入った、以前の会社で発行していた小冊子を思い返してみても5年という響きは永く感じる。気力さえ続けばインターネットベースのメールマガジンは続けやすいものである。毎回印刷費用に悩むことも無いし、たとえレンタルサーバーを借りたにしても毎月わずかな金額である。光ファイバーで接続される時代の入り口に立つと個人でどれほどインターネットを使いきれるのかというアイデア勝負も出てきそうである。既にアマチュア無線ではWiresと称してインターネットを介したなどが許可されているようであり自宅移転に伴いそうしたリピータ局を設置しても面白いかもしれない。IP接続の時代であり山ほどある埋もれたダークファイバーなどを利用すれば何でも出来ると思うのだが使う人間の意識がかび臭い状態に甘んじているように見受けられるこのごろでもある。

さて、電子メールベースの開発支援スタイルからWebベースでの開発支援というスタイルに移行が始まった。以前の電子メールベースでの運用においてバックエンドで利用してきた古いC/Sの開発支援ソフトの構成ではお客さまにまでの提供や性能は出せないという問題があったからでもある。WCDMAのチップビジネスの広がりなどは、製品展開への取り組みとして実需に繋がるものとして期待もしているのだが、支援という面からいえば大拡張ともいえるので、数少ないQuad社のWCDMA開発陣営(とはいってもソフト開発リソースの1/3を投入しているわけだが)の開発エンジニアや試験エンジニアの成果を最大限に活用していくということが必要になってきている。こうした事からも支援システムが公開されてお客さま自身での詳細な入力や分類により適切な技術者への接続が可能になっていくということが目的でもある。

以前の電子メールベースのシステムに比べてお客さま自身のやり取りがより楽になったようでもある。一つには電子メールをハンドリングするシステムが自動化しやすくなった点が挙げられる。さすがに日本語で質問を投入するようなことが回避できるのも日本をアジアの諸国なみの国際意識に高められる効果があるのではないかと感じたりもする。とはいえ、昨年末の状況などを思い返すと携帯ネットワークのテストドメインとなっているような日本でのテストに訪日する仲間などのサポートも一つのテーマとなっていて雪の都内をバンに乗り込み試験チームの指示渉外担当などを行うことも続いている。サポートリソースも限りがあり増加させなければならないと日に日に感じている。バンの助手席でテストチームからの走行に関する指示を通訳して運転手に伝えつつ、飛び込んでくる今までの問い合わせメールや懸案事項のファイルを振動する中でPCのスクリーンを覗いて叩き落している。

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業界独り言 VOL201 常識を問われる?

いまさらながらの様に、GSMがやって来るという表現が正しいのだろうか。世界中何処でもつかえるIMT2000の理想とは裏腹に3GPPの不調不発は政治のごり押しのようなところがある。無論3GPPだけがIMT2000ではないのだが。世の中をアジアとヨーロッパに限ればGSMの発展は目覚しいものがあり最近ではIMT2000の端末は、GSM機能を持たなければ通用しないという状況になりつつある。もとよりIS95とGSMだけで良いという意見もあったのだが、そうした時代背景を映す端末が出始めてきた。端末構成の内実は、まちまちであり既にGSMチップを開発していたメーカーがIMT2000機能を追加したケースもあるし別々のチップを搭載していくというケースもある。

サブミクロンの進展がチップコストと規模を広げ低電圧化と高性能化という両輪を回してはいるものの、システムLSIとしての完成度を高めていく方策には中々王道が見つからないようだ。Quad社でもGSM機能の搭載をアナウンスしていて、恰もソフト無線機のような実装を実現している。そんな背景の中で世の中は二つの組み合わせを示唆するようになってきた。GSM+IMT2000という構成をどちらのIMT2000で実現するのかということになっていくようだ。これからの延びていく市場に委ねられあるいは偏向していくのは致し方ないので中国次第ともいえる。

最近の情勢ではドコモすらもGSMをターゲットにしているらしいのだが、果たしてその組み合わせ技にはまさかPDCも入っているのだろうか?・・・。GSMはある意味でTDMAの極致を目指したシステムであり、その実装はタイミングにセンシティブである。厳しい条件を課したPAの立ち上がり特性などのRAMPなどでも難しいようだ。CDMAでは帯域拡散をしていることから周波数的には同時送信を果たしているので立ち上がり特性などの細かい所までは要求度合いが明らかに異なる。ある意味でCDMAの方式は物作りを緩やかな制限の範囲で出来るように演算量を高めて対応しているといった面持ちがある。

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業界独り言 VOL200 フィーチャライズのこと ロスにて

実は、パソコンHDDの故障で独り言のメール配送先アドレスを失ってしまっているのだ。故障はVOL198でお伝えした通りなのだが、まだ壊れたHDDの中身の救済策はない。控えが残っているだろう自宅に戻ってからどれほど昔のアドレスリストに帰ってしまうのかが不安だ。とはいえ最近では私のライブメッセージあるいはハートビートのように思っておられる方も多いらしく昨年の9.11の際には色々ご心配をおかけしたりしていたようだ。一週間足らずの予定で臨んだ出張だったのだが様々な理由で二週間あまりに延びてしまった。メールでの通知が届くまでの間は暫しご容赦を願いたい。頻繁にアクセスされている方はいらっしゃるようだが・・・。

特急サポートではないのだが、火急なお客様のサポートというのは往々にして私のマイレッジを増やす結果になる。Featurizeを徹底するのがシステム規模の製品としての常だと思うのだが、ベースとなるソフトウェアでのそうした設計思想が御客様の製品に反映されていないことに直面すると絶句してしまう。さまざまな機能を提供している携帯電話のシステムソフトとしては機能別の開発体制が敷かれていることもあり御客様のチョイスでこうした機能の取捨選択が行なえるように条件コンパイルがいたるところに入ったものとなっている。

オプションとして売っているソフトなどもあり、そうした部分は標準出荷のコードとしてはストリッピングと称して自動的に機能指示で削除するようなシステムとなっている。逆にいえばシステムテストをしているときには殆どの機能を有効にして試験しているともいえる。こうした機能単位に有効無効にする仕組みを用意しているのは互いの機能同士が影響しあったりしていることからシステムテストでの不具合検証などの際に関係を切り分けしたビルドを用意するのが容易だからに他ならない。当然こうしたコードを提示しているお客さま自身も同様な取り組みをされて当然といった思いもあった。

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業界独り言 VOL199 再利用の落とし穴 米国にて

速度を失ったかに見える国内の多くの通信端末メーカーとは裏腹に、先を急いだ開発を進めている韓国や日本のメーカーがある。経営方針の違いなどが大きく影響した結果であるのかもしれない。そんな先を急ぐ開発を進めているメーカーに技術提供をしていく中でコンサルティングのような面もあるアプリケーションエンジニアという仕事をしていて強く感じる一抹の懸念がある。先を急ぐあまり内容を理解しないままに闇雲に突っ走るさまと、チームコミュニケーションの欠如といったことでもある。

問題を感じるのは、ソフトウェア担当という職責の方達だけではなくて無線担当あるいはハード担当という方達も同じなのである。再利用が進む中で、幾つもの並行機種の開発を兼務して設計内容を着実に物にしていきつつ育っていく技術者と、コピーペーストとメーカーからの資料とで物を作ったかのようにしていく担当という方達に分かれてきているようだ。基本を蔑ろにしたツケは、何処かで支払わなければならないようだ。そしてそうした事件が開発を遅らしている要因ではないのかと思うのである。再利用するということとコピーするということは違うのである。

コピーペーストによる弊害を無くそうと奔走する動きには、標準化という流れでのコピーされる対象の完成度向上というものがあるのかも知れない。完成度の低いものを標準化しても意味の無いことである。部品精度の勘所やパターン・部品配置といった肝になる情報だけにとどまらず、その製品化の流れで発生した対策や機構部品の追加など細大漏らさず共有しようというPDM活動にも繋がっているのだろう。そうした活動が要求している姿は、実際に技術者が開発していくという姿であって情報調整をしつつ開発委託をしている姿ではないはずだ。

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業界独り言 VOL198 年の瀬に半袖で風邪をひく 米国にて

年末に米国出張というのは、毎回アクシデントに巻き込まれてしまうような気がしている。過去の独り言などを読み返してみて納得したりもしているのだが。経験が詰まれるままに密度の濃い生活になるのは致し方ないことなのかもしれない。御客様のホスティングなども、一人でケアしなければならないのだが、生憎と例に寄って運転免許を持たないことが、こうした状況に更に大きな足かせになる。降って沸いた支援出張は、いつもの如く新幹線の手配と同義語となっている。想定外なのは米国から日本に試験にきているメンバー支援もあり技術者が売り切れ状態なのである。

年末に出張してくるのはお客様の案件が無ければ定常的にはありえないのである。なぜなら皆クリスマス休暇を目前にソフトウェアリリースに奔走しているからに他ならない。そんな中を押してやってくるお客様の緊急度合いも知れるというものだが生憎とサポート技術者という職業が業界から理解されないからなのか貧乏暇なしということになっている。じっくりと取組みたい我々の体質とキャリアとスケジュールでの実現に奔走される御客様の間の調停をしていくのもある意味、部長としての職務でもあるのだが・・・。

健康でコミュニケーション能力に問題がなく、ごく当たり前のソフトウェア技術を解する人材というのが、そんなに稀なのかについての原因追求をしてみても始まらないのだが、毎回愚痴ばかりでは進まない。健康であるということが重要なのは、国内・国外ともに頻繁に移動しつつ様々な状況の中で仕事をしていける体力が必要なのである。健康管理を万全にしていただくためにも結婚されている方が望ましいのでないかと考えている。馬鹿は風邪をひかないと言われるのだが、さすがに雪の中での移動実験をしつつの運転席横でのユーザーサポートと米国テストチームの並行処理をしていた状況から、飛行機で時差を越えた半袖の生活には大きなギャップがある。

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業界独り言 VOL197 日本語会話の難しさ 米国にて

外資企業にて仕事をしていると、本国との会話ももちろん重要かつ難しいのだが、お客さまとの間の日本語の会話の難しさが、よりフォーカスされるのはいうまでもない。製造メーカーという範疇で似通ってはいるものの、各お客様ごとの文化の相違もあれば、そのメーカーの中での各個人という状況を想い計ることの重要性はいうまでもない。距離と時差と言葉を越えてのサポートという仕事には互いの担当者の背景を知りつつ思いやるといったことに重要視しなければならない。日本という文化の中で、日本のお客さまを対象に暮らしているという条件下での相互の文化の緩衝材になるというのが精神的にタフな仕事であるともいえる。

繊細かつ大胆、用意周到にという一見矛盾した取り組みが時差や距離を埋めていくのである。時差の無い暮らしで仕事をしている人たちにとっては時差の無いリアルタイムな世界での暮らしが身についてしまい、割り込みドリブンな仕事のスタイルが染み付いていて気が付くと、慢性化した残業状態の中で甘んじているようにも見える。落ち着いて仕事をしていくというスタイルは、最近の国際競争の中ではなし得ないテーマなのだろうか。しかし、私達にしてみるとメールや電話あるいは訪問先での会話でも発せられた会話の背景を想い計るといったことが必須なので、一歩引いて落ち着いた対応が必要なのである。

お客様の耳に残っているあるいは、手にあるこちらからの招待などの申し入れなどは期限ぎりぎりまで放置されることもある。といって放置しているわけではなくて内部の進捗などの調整をとっているからだという説もある。こうしたことをお客様との会話で伺いしることが必要なのだが・・・。ある日、突然週末にお客様から参加通知の申し入れが入り慌ててホテルの調整などをとりあたふたしていると実際の訪問先への連絡が手薄だったりもするのだ。お客様と本国チームとの繋ぎ合わせをしていく上ではこうしたインビテーションのやり取りなども案件管理をしておかないととんでもないことが起こりえるのである。

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業界独り言 VOL196 ラブコールは永遠に

いよいよ第三世代がUMTS仕様で励起しようとしている。欧州の期待が、ここ日本でのJVとして結実するのだろうか。いま電機業界では3Sと呼ばれている会社には元気があると言われている。従来の関西・関東といった区別はなくなっているらしい。垣間見たメーカーの技術者の技術力と、その会社の製品力との相関関係はあまりないように映るこのごろでもある。となると技術志向に走っていた会社がうまくいくいっているとも限らないようだし、技術動向を的確に見据えつつ戦略をもって進めているところが、結局はビジネスに繋がっているようにもみえる。技術動向を見据えて現時的なスケジュールへのマッピングを進めていくことが出来るのかどうかは最先端とはパッチだらけの現実を理解しているのかどうかということにも繋がっている。

しかし、3GPPの実ビジネスをUMTSとして推進しているという、ごく当たり前と思われることが最前線では異様に見えてしまうのは何故なのだろうか。出てくる出てくるといわれる次代の他社チップセット達との接近遭遇もままならない。3GPP関連のメーカーで働く人々のうち外資系の方達からの職務希望の申し込みが続いているのだが、キャリアマップが合わないか、若しくは物作りに邁進したいという希望の方達にとってのQuad社のビジネスは魅力的には映らないようだ。無論、説得のためのラブコールは懸命に事実を着実に伝えている積もりだし、当初はあまり興味を持たれなかった応募者の気持ちに火をつけてしまった事例もある。ただ惜しむらくは、彼の場合にはスキルマップがマッチしなかったために適わなかった。先にスキルマップの照会が為しえなかったのは残念な限りだ。

3GPPメーカーの実情は、携帯バブルを反映して厳しいものとなっている。先行国内オペレータの投資冷え込みなどが影響をしているメーカーもあるようだし、最近ようやくオープンしたYRPのホテルなども集客のあてが外れたという状況らしい。堅実な開発ということに立脚しているのは、期待する未来に向けて着実な答えを求める最終ランナーたちといえるのだが、重荷となっているのは開発状況とサポート開始時期の整合性であるようだ。相互接続性試験が各インフラベンダーとの間で実際に進行しているようなのだが、実際問題として国内でサービスインしようとしているすべてのインフラベンダーで相互接続を果すのは至難の業であるようだ。ようやくそうした難題が解決出来るようになった状況が出来、最新パッチが集約されていく。それにしても3GPPの機能をカバーしていく道のりは長い。

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業界独り言 VOL195 少し無理をする

最近の気の利いた携帯電話機には、それぞれにそれなりの「少し無理をした」事があるように思われます。誰もが手をつけていないことにチャレンジするということを色々な機能の側面で実施しているかどうかという事でしょうか。モデムチップとソフトを提供している立場から言えば、それぞれのお客様に同等の機能を提供していることが目標ですし事実そうしたチップとソフトの両面を提供している訳ですから性能から言えば差がないことが目指している訳です。

しかし、現実には各メーカーの端末毎に差が存在しています。無論、こうした機能差についての実装方法などに興味があるのはメーカーの技術者だけであって、お客様にとっては単なるアプリケーションとして興味があるのか、あるいは使いやすいのかどうかということにもなります。同一のチップセットを使って差を見せるということには、ソフト上の工夫やハード上の工夫など色々あると思います。ハードを少し無理をして使うというのは、マージンにチャレンジするというのでは製品になりません。

ソフトで少し無理をするというのは、納期を厳しくするということでは決してありません。高速ワークRAMなどを使った処理では、すこし気合を入れて構造設計をして管理上の工夫などから安易な実装では得られない高性能を出したりすることが出来ます。無論、安易な実装でも高速化をしたいという向きにはJavaのカーネルのワーク領域をスタティックに割り付けるということがあるでしょう。気合を入れてやると必要なワーク領域そのものをダイナミックに高速領域に設定したりすることもあるでしょう。

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業界独り言 VOL194 3G開発を支えるブロードバンド

3G開発で必要なもの、それは円滑なコミュニケーションに相違ない。Quad社のようにチップビジネスを展開している会社では、世界各地で行われている相互接続性テストの結果などのフィードバックに日夜インターネットを用いて大量なデータが報告され、対応するソフトウェアの修正情報とのピンポンが続いている。幸いにして3GPPにおいては全世界共通のバンドプランであることなどからQuad社自身で保有する評価用端末で実際に日本でもそのまま試験できるというメリットがある。

2.5Gの時代からジョイントしつつサポートという仕事を支えてきたのは、紛れも無いPHSのおかげである。いったい、安い通話料金とはいえ支援の為に幾ら支払ったのだろうか。通信カードの進歩はPCMCIAサイズからCFサイズに変化し、契約形態も宛先固定のものに変わった。通信費用と移動性の双方からみて支援という目的に適っている最良の通信インフラと今はいえる。早晩、インターネットベースのWLANが一般化してくるということも考えられは、するもののお客様のオフィスにお邪魔しての環境などを考えるとPHSのライフタイムは永いだろう。

通信料金がインフラの積み上げであるというビジネスモデルが提示している通信パケット料金というものが、それ自身の開発には料金的にもエリア的にも適合しないというブートストラップ的な問題があり、3GPPではインフラ完成以降も解決しそうも無い。インターネットがダークファイバーの利用などから不良債権ともいえる通信施設の有効稼動に寄与しているという見方もある。余談だが3GPP2の開発支援をしている同僚は、基地局側のデータログを解析に用いるためにモバイルハードディスク(PCMCIA)を購入することに陥ってしまっている。受け取るデータが3Gほど有ったようだ、このHDD自体の容量は5GBなので次世代の4Gまでは対応可能だろう・・・なわけはないか。:-)

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