携帯電話業界が、不振に陥っている。売れない理由を求めて高機能化に拍車がかかる。高機能化を達成していくと指数関数的に開発費用が増大していく。端末コストが高いと通信キャリアからセットメーカーにクレームがいく。チップメーカーにはライセンス費用やチップコストが高いと追及がくる。端末価格のコストダウンは標準化した部品の使用により大量発注して購買努力で下げるのが通例であるという。しかし、これは数量が捌ける時代での方法論であって現在の携帯電話の開発の実状を現しているとは言えない。
すっきりとした2番手キャリアを目指しているグループでは、なぜかすっきりとしない八方美人的な展開を進めている。端末企画を決めていくというスタンスにおいてメリハリの効かない戦略だと感じる。業界標準を指向しては失敗してきた歴史から反省し自己学習していくというスキームが会社としての無いのだろうか。個性ある端末開発には、各端末メーカーの自主性に併せていくということが望ましいと思うのだが・・・。メーカーにとっては、現在の通信キャリアはお客様なのである。買ってくれる物とは、通信キャリアが売れると思った物だけになる。いきおい、面白い端末で挑戦してくるメーカーは少ない。
ポケベル戦争からPHSに移り、エリア競争の果てに携帯に戦場は移った。ショートメッセージで幕開けた戦いは、古いプロトコルであるDTMFの鳴動時間を気にするような通信手順でデジタルなメッセージを飛ばして旧来のサーバーを制御してショートメッセージを捌いているのであった。アナログ時代に確立したPagerへの入力手段であるDTMFの信頼性は高く評価されてか、あるいは改版のコスト高を嫌ってか従来通りの利用を未だに続けているのである。昔の女子高生が覚えていた漢字入力のダイヤリングは現在では携帯のソフトが取って代わっている。