業界独り言 VOL148 携帯電話を安くするために

携帯電話業界が、不振に陥っている。売れない理由を求めて高機能化に拍車がかかる。高機能化を達成していくと指数関数的に開発費用が増大していく。端末コストが高いと通信キャリアからセットメーカーにクレームがいく。チップメーカーにはライセンス費用やチップコストが高いと追及がくる。端末価格のコストダウンは標準化した部品の使用により大量発注して購買努力で下げるのが通例であるという。しかし、これは数量が捌ける時代での方法論であって現在の携帯電話の開発の実状を現しているとは言えない。

すっきりとした2番手キャリアを目指しているグループでは、なぜかすっきりとしない八方美人的な展開を進めている。端末企画を決めていくというスタンスにおいてメリハリの効かない戦略だと感じる。業界標準を指向しては失敗してきた歴史から反省し自己学習していくというスキームが会社としての無いのだろうか。個性ある端末開発には、各端末メーカーの自主性に併せていくということが望ましいと思うのだが・・・。メーカーにとっては、現在の通信キャリアはお客様なのである。買ってくれる物とは、通信キャリアが売れると思った物だけになる。いきおい、面白い端末で挑戦してくるメーカーは少ない。

ポケベル戦争からPHSに移り、エリア競争の果てに携帯に戦場は移った。ショートメッセージで幕開けた戦いは、古いプロトコルであるDTMFの鳴動時間を気にするような通信手順でデジタルなメッセージを飛ばして旧来のサーバーを制御してショートメッセージを捌いているのであった。アナログ時代に確立したPagerへの入力手段であるDTMFの信頼性は高く評価されてか、あるいは改版のコスト高を嫌ってか従来通りの利用を未だに続けているのである。昔の女子高生が覚えていた漢字入力のダイヤリングは現在では携帯のソフトが取って代わっている。

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業界独り言 VOL147 携帯開発の先へ

各社の開発が、量産に推移すると我々サポートの手がかからなくなってくる。最終商用製品出荷への駆け込み修正を実施しているお客様やら、次期機種のサンプル納入を進めているお客様など多様ではあるが・・・。一機種の開発費用は、20億円程度かかってしまうというのが、一部のお客様の声である。この費用の大半はソフト開発に費やされていると考えている。ソフト開発というと合致しない部分もあるだろう。なにせ買い入れソフトも多岐に渡り製品としてまとめあげる責任は全てメーカーにあるからだ。

開発費用として計上してきたこうした原資は、ベストセラー機の利益から捻出されたり、将来への投資として払われてきたのだろう。コンシューマーにとってCDMAであることは、音質や回線品質としての差異は、今となっては見えないのだから単に買える電話機か、使える電話機なのかという事になる。こうした視点で見れば、見せてくれる機能やサービスエリアの差異はキーファクタになる。カメラを積み、動画をカバーしてもメールに添付して使える玩具を二万円で配ることでは逆にPDA業界からクレームが来てしまうだろうし、差分としての電話代の高さを示すことにほかならない。

ビジネスモデルが破綻しているという視点に立てないのは、それでも流出していくユーザーに対して明確な差別化フィーチャーが打ち出せないからだろう。チャネルの破綻しているキャリアにとってのWCDMAとフィーチャーリッチに進む上でPDCのコンテンツと戦いを繰り広げているキャリア。欧州展開への前哨戦として位置づけてようやく腰をあげるも、PDCとの共存を迫られて価格とサービスエリアの点から二の足を踏んでいるキャリアなど色々背景が異なっている。破綻したビジネスモデルという点で見れば無意味な開発競争を続けていくことは開発投資という不良債権の増大でしかない。

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業界独り言 VOL146 無が攻めてくる

懐かしい知人達と、夕食を囲んだ。ひとときの楽しい時間を共有しつつ次代への思いを馳せていた。業界で言われている携帯不況にも関わらず、それでも通信機メーカーにおいては他の分野ではなく、やはり携帯開発に期待を賭けて、それに追われている様子だ。仲間たちの部下を次々と飲み込んでいった開発の大きな流れの様には、果てしない物語ではないが、無が攻めてきているような気がする。スクリーンの墨流しで作成したという漆黒の闇の広がりという映画のシーンが思い浮かぶ。ひょうきんなロックバイターなど達との楽しい果てしない世界が、夢を見ることを失った子供たちにより、無に帰するのは悲しい。夢見る技術者が居ればこそなのだが。開発プロセスの見直しが騒がれてからも五年以上経過してCMMなどの用語も根付いてきたと思われる。渦中の携帯電話の開発は、あふれかえった機能盛り込みで収拾をつけるのが精一杯という会社もあれば、個別の問題毎に解決の目処を待ながらも次の開発をしているという会社もある。後者と前者の相違は技術者のリソースなどにも現れているようだ。プラットホームというものを開発していくという方針を体現している会社では、機能別に担当が動くことはなく機種をまとめるリーダーと機能を開発していく担当により作られていく部品群を纏めていく部隊とで動いているようだ。

手をこまねいているという印象の会社もある。機種をチーム制で担当している会社だ。チームとして一体感を持った開発で鉢巻きをして開発している挙国一致体制ともいえる。といっても最後に残るのはソフトウェアであり部品の評価などは既に終わっているので今更ハード担当のメンバーとして進めるべき事由もないのだが、緊急に向けてのリザーブなのだ。部品の評価をソフトウェアの開発完了まで先送りにしているケースも見られるが部品評価という判断と、システム評価という段階とは明らかに異なるはずだ。部品の問題などは早期に評価完了させないと量産という課題をクリア出来ない。

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業界独り言 VOL145 光ファイバーがやってきた

週末の出張帰国で月曜である本日は代休となっている。本日は光ファイバー工事があるので自宅待機である。朝の9時にNTT東日本の担当者がやってきた。室内の電話線の引き込み口をまずは確認して内部が配管を通していることを確認していた。通りの電柱には中継箱があるようです。外部の引き込み口からワイヤーでガイドして入れる算段であるらしい。ONUの設置場所を確認してから引き込み作業を開始した。家の外に梯子をかけて、ワイヤーガイド付きの光ファイバーを送り込んでいった。

思ったよりも簡単に室内の電話の引き込み口から青い光ファイバーの線が出てきた。電話線コンセントの口を少し切り欠いて引き込み完了である。ガイドのワイヤー部を折り曲げて引き抜き防止のためストラップで止めていた。2メートル弱引き出したファイバーの先端を裂いていき中から細いファイバーが登場してきた。端面を綺麗にカットするための道具を用意してゴソゴソと圧接作業を始めていた。藤倉の銘が入っている道具達である。今は、溶接しなくて良くなったので楽になったそうだ。

どこかのメーカーが作ったと思しきONUの箱から出てきたのはDSUとほぼ同一容量のサイズに見えるものだった。無論無骨なDSUよりは薄くなっている。その会社の期待の星となる製品は昨年の10月製造という表示が入っている。我が家のDSUは初代の物らしく取りつけにきたNTTの工事担当も「そういえば古い型ですよね。」「設置したときには、コンビニ始めるんですかといわれましたけれどね。今となっては番号振り分けもしているので、ADSLに戻りたくはないので光を待っていたんですよ。」「ADSLはISDNと相性がありますからね」

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業界独り言 VOL144 閉塞感からの脱却

昨年のテロ以来、QUAD社の日本オフィスではお客様の訪問への支援やら社内イベントなどへの集合要請などが延期或いは中断してきた。そうした流れも年が明けて、冬季オリンピックなどの掛け声が高まってきたせいか徐々に戻り始めている。開発の母体が米国である以上、行き来が必要になるのは致し方ないことである。主要なお客様である、日韓のメーカーに米国から訪問して、現地のサポート担当がフォローしつつまた最新情報を更新しに米国で研修を受けるというのがそのサイクルである。

最後の審判を待っている電気メーカーの方がサンディエゴを訪問して決断の為の資料を用意したいと弊社を照会してきた。聞けば、この開発をしないという判断は、無線業界からの撤退を意味するらしい。無線オタクを少年時代に過ごしてきた私にとってもそうした変遷は衝撃的な事実でもある。昔は、無線イコール短波であり同等の意味合いにおいてアマチュア無線も存在していた。実際、現在の携帯電話を開発されている方々の多くあるいは経営幹部の方々のレベルではコールサインを保有したりかつては記事の投稿をしていた方も多いだろう。

このメールの先あるいは、電話の先で何が起きているのだろうか。リモートでコンサルティングをしている生活を続けてきた。お客様の所で起きている背景や状況が電話やメールの端々に現れているのが感じられるようになる。うまくいった場合には応答がなくなる。うまく回らない場合には問い合わせやお小言電話の拝聴というサイクルが続く。日本のお客様の感性からは、とうてい理解してもらえない文化的なギャップが米国メーカーであるQUAD社とのやり取りではよく起こる。必死になって開発から生産に乗せようとしている様と時差の先で発生した不具合があるとインタフェース点でショートが起こるのは致し方ないのだろうか?

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業界独り言 VOL143 光ブロードバンド化計画までの経過

混迷の携帯開発業界を尻目に、我が家の光ブロードバンド化計画は進行している。既存技術の集大成ともいえる  100Mbpsのイーサネット技術によるPPPoEのブロードバンドルータが2万円を切る価格で設置される予定である。現在のQUAD社での支援作業環境として光が生み出す環境がマッチするのかどうかは大きな関心がある。下りの速度よりも出先から自宅のリソースに高速にアクセス出来るのかどうかがADSLと異なる期待ポイントである。

今は、まだフレッツISDNで常時接続までは果たしているのだが出先から自宅サーバーのコンテンツをアクセスしようとは考えずにレンタルサーバーを借用してコンテンツのアップデートのみを実施している。実際のサーバーが何処にあるのかは知らないのも面白いことかもしれない。重要なことはTechno-Web.netというドメインで私の作成したコンテンツにアクセスできるようにすることである。長いドメインかも知れないが独自のドメインを一度設置してみたいと考えていたのでTechno-waveからの流れで言えば素直な展開でもある。

セキュアな環境が確保できて速度が達成できればコンテンツを更に双方向性の高い物にしていくことが出来るし自分自身の時間を生み出す最終兵器になるかも知れない。米国オフィスとの間のアクセスは既にフレッツISDNの中でVPN接続が確認されている。光にシフトしたときに聞くのは太平洋の間のインターネットのパイプと自分の会社からインターネットへのパイプの太さとゲートウェイの性能である。セキュアで高速なリンクが沢山張られる時代になるとデビルサーバーなどが活躍する時代ともいえる。

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業界独り言 VOL142 我が家の光ブロードバンド化計画

某社のDVDレコーダの修理は事業部まで持ち帰りの大仕事になってしまったらしい。連絡は、暫くかかりそうですという簡単明瞭な物だった。そうした台詞が通用するのならば、私もチップメーカーとして使ってみたい気もする。コンシューマーニーズとしての緊急度合いが認識されないので致し方ない。我が家ではS-VHSデッキが復権しているのだ・・・。この修理が順調にいけば、この製品を夢の製品として位置づけている会社に文句もつけずに「よい製品だから・・・」と薦められようものなのだが。

既に10万円を割り込む価格で特売に晒されているのは、携帯での新機種登場に伴う事例と同様な性なのかもしれない。次の機種であるHDD内蔵のDVDレコーダに圧されて価格が低下しているのは致し方ないのだろうか。着実に永らく使えるようなプロ用機器の開発してきた事業部などのノウハウが新製品開発の開発プロセスに盛り込まれて欲しいものだ。知人で、そうした感性の人がいる。いい味の技術屋さんなのだが、今はどうしているだろうか。会社としての設計力という話になってきた際に道具立てを作り上げてデータベースを構築するという長年のテーマに取り組んでこられた人たちもいる。

デジタル機器の故障の予兆を知らせてくれるような機能が盛り込まれるべきではないかと考えるのだが・・。昨年には本来ならばそうした技術が開発完了されて実用化されるというのが昔見た映画の一シーンでもあったのだが・・・。そうした情報がブロードバンドを通じて、メーカーに勝手に機器から通知されていくのはいかがなものであろうか。故障予定部品の兆候を検知していれば壊れる直前に修理の出前が到着してあっと言う間に直してくれる・・・。そうして製品や技術が次々と開発されていく。まあ、勝手に録画したタイトルまでを通知されるのは反対だが・・・。

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業界独り言 VOL141 究極の無線機は仕事をなくす?

無線端末が究極に近づき、所謂無線屋としての勘所が薄まってしまいそうな状況になってくるようだ。スーパーヘテロダインからホモダイン(いや最近の言い方ではダイレクトコンバージョンと呼ぶようだが・・・だが)への移行がチップセットベースで揃ってきたからだ。スーパーヘテロダインではどうしてもビートなどのIFバンド内への飛込みなどがあったのだがそうした問題から切り離されてしまうのだ。感度が課題だったのだが・・・解決したようだ。
 
800MHzであれPCSバンドであれ外付けのフィルタ次第で対応が容易になることにあるのは有りがたいことである。800MHz帯での応用などでは対応するフィルタだけは特殊になるものがあるかも知れないが既に虫食い状態の日本の800MHzバンドの実情で考えると流用することも容易になりそうだ。フィルタ屋との詰めさえ済めば安価に2.5世代の機器としてIMT2000仕様のシステムが構築できるのは数少ないと言われる無線技術者のリソース不足にも対応できるだろう。
 
ワークシェアという観点から考えると新技術で失ってしまうものは無意味な開発への投資なのかもしれない。とはいえ、既に無線機セットとしての究極なソフトウェア無線機としての要素技術が整ってきている。事実ベースバンド処理でFMもCDMAもGSMもGPSもサポートしているのだ。1.25MHzの帯域幅が上り下りで整理確保さえすれば、3Gのバンド免許が無くともiDENやGSMキャリアでも利用出来るのだから大きなうねりが生じそうだ。
 
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業界独り言 VOL140 きな臭い未来

我が家では修理依頼したDVDレコーダが修理先から連絡も入ってこない、たまたま大きな問題とならないのは、最近適当な番組がないからでもある。システムとしての課題は、デジタルBSの録画配線が宙に浮いていることだった。週末に屋上のケーブルテレビからの入力配線を見直してカシメ直したことでNHKの画質が平均レベルに戻ったために細君の希望するBSドラマやNHKについては従来の系統で録画することが可能になっていた。

「Sで取るほどでもないのよねぇ。」と年末の大売り出しで購入したビデオテープの箱入りから取り出してつぶやいている。そうした目的にはハードディスクレコーダが目的に適っているのかもしれない。しかし、一時的にしろの容量や新しいマンマシンインタフェースの機器を導入するのは慎重を期する必要がある。なにしろ日常のことなのだから。単純な操作を確実に解りやすく行わせることは大変な技術である。

長年の積み重ねで日の目を見始めてきたものは仲々良い状況になっているように映るものがある。実は、このメールは超漢字4と呼ばれるBTRONベースの物で書くようになった。最近はやりのHTMLメールを打つことは出来ないが、逆にシンプルなテキストメールのハンドリングにはマッチするような感じだ。BTRONの作法といえば、坂村助教授が良くNHKの番組で深夜などに説法していたような気がする。実際使い勝手で不自由に感じる点もない。

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業界独り言 VOL139 組込み機器とゲーム開発

デジタル機器の登場で、物が壊れなくなるかと思いきや以前以上に予期しない故障が発生するようになっている。アナログ機器と違い、とつぜん故障に遭遇するというのがデジタル機器の故障である。昨年導入された、我が家のDVDレコーダが、突然音声がデジタルノイズの発生器になってしまった。どこかの、バイアス回路でもおかしくなったか、あるいは使っちゃいけない部品でも使ったのかは不明だが。
 
我が家ではVHS以来、そのメーカー以外の録画装置は存在しなかったのだが、そろそろ別の血を導入しなければならないのだろうか。昨年発表された、このDVDレコーダは購買層を刺激する起爆剤になりうる価格や機能を宣言されていた。実際、数ヶ月あまり使って重宝してきたDVDレコーダが無くなることは極めて不便な状況を強いられる。もうVHSで録画などしたくなくなるのだ。答えはハードディスクレコーダの導入を含めたビデオレコーダシステムの二重化である。
 
確かに利用する側からみて、複雑なアプリケーションとしてのGUIがこうしたデジタルレコーダ機器に搭載されているように見えることである。DVD-Rでは、録画後に最終化というステップを踏まなければならない。この為にタイトルをインプットするのだが、PCでは簡単なことが不自由なUIで入力しなければならない。無論、逆にこれらの機器にIPアドレスを全て振り、webサーバー的に行わせることが出来ればUIも統一化されようが、その為にLモード端末にイーサネットを接続するのもぞっとしない。
 
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