開発プラットホームの共通化話が、各社で持ち上がっている。盛り上がっている会社もあれば、言い出しっぺで撤退しそうな会社もある。といっても試作くらいは当然終わっている。実際の商品にするかどうかは別問題である。プラットホームの製作準備を計画的に進めてきたある会社は、国内キャリアの急先鋒として長年温めてきた端末コンセプトを花開かせる時代に突入した。そして一人勝ちであった。パケットとゲートウェイベースのプラットホーム構築をひたすら進めてきた成果がそこにはあった。そうした事を経験値としてアプリケーションプロセッサに向かったのは事実だろう。
二匹目の泥鰌を狙ったかどうかは不明だが、出来上がったチップセットを利用してもの作りを進めるメーカーも出てきた。実際にPDCでは、そうした実績が出ていた。それまでの業界からは考えられない状況である。自らがプラットホームを開発追求していく姿は、流行らなくなっているようだ。プラットホームを開発するよりも出来上がっているプラットホームの上に合わせ込んでいく方が手っ取り早いということだろう。開発期間を如何に短くして、良質なソフトウェアを載せこんでいくのかということに腐心したいからだ。無論、端末プラットホームをチップやソフトから起こしてミドルウェアの先進開発してきたメーカーには漁夫の利がある。
通信処理のモデムチップとアプリケーションの分離が叫ばれている。開発効率を低下させているのは端末プラットホームやOSであるというのだ。分離してモデムチップセットを1チップ化してもらいたいというのが本音かもしれないが、実際問題として第二世代のPDCとCDMAの無線通信制御の比較をしてけば、並存して互いに違った次元でありながらも競争している実情からはまだ先の話としてリソースを割く時代ではないようだ。第二世代のPDCを32ビット化して達成できた性能とプラットホームのある程度の実績は通信が複雑化したCDMA対応という流れからデュアル構成という流れに傾いたのであろう。