21世紀だというのに、映画ではないが少年時代に思い描いてた未来とは少し時空がずれてしまった印象がある。さて、第二の会社生活も定年を考える時期ではないにしろ、ある意味で締めくくりを考えていく段階には入ってきたといえる。直球勝負ではないにしても、少年時代に思い描いた夢に飛び込んで暮らしてきた無我夢中の時間を、ある日突然振り返り気がつくと自己の思いとの矛盾などに気がついた最初の転機、そして今また10年あまりを過ごして昔の仲間たちをお客様として支援する仕事をしながら立場を変えて当時の思いや錯綜してきた流れなどをめくり、いまのお客様としての印象や気持ちに思いを馳せる。そんな、たっぷりとした時間を過ごすことが出来た。
気がつくと中学時代の同級生の名前を、インターネットで見つけてその写真から当時の面影と夢などから本人と確認することが出来ていた。これは21世紀らしいものといえるかも知れない。彼女は声楽を目指して芸大をへて音楽活動をしつつ教育の道を模索して仙台の地での活動を始めていたということだった。うろ覚えだった大学名が、たまたま今回のお客様の事務所の目前にある大学かと誤解してメールをしたためたのだが、実際は市内の大学だった。しかし連絡がつき帰りの新幹線に合わせてお茶をして話をしようということになった。
40年ぶり近い時を経ての再開で、なぜかとてもドキドキしたりして仙台駅で待ち合わせをして新幹線の時間まで喫茶店で話をした。大学教授である彼女は大変忙しいらしく、この後は仕事の会議がまっているらしかった。たまたま入った喫茶店で担当になったウェイトレスは、そんな彼女の教え子らしくアルバイトだったようで、コーヒーと紅茶の二人のオーダーになぜかケーキが特別セットで配られてきた。40年の互いの人生のショートストーリーを少しづつ話をして、互いの今の風貌の先に映る、時代の印象を思い返すには十分な時間だった。夢をみていた時期、人生の転機でたまたま出会ったことなど初めて知ることなどもあり短い時はあっという間だった。思いついてメールをして会えたのはとてもラッキーだった。