初めて入学式に向かう高校生と、その親が楽しそうに向かう姿をたくさん見かけた。自宅の少し上に高校があるからなのだが、年に一度しか見られない貴重な光景である。子供以上に親が楽しそうなのである。自分がもう一度高校時代に戻れるかのような錯覚を覚えている思しき風情を漂わせながら子どもと連れだって歩いているのである。自分が、入学式に向かったときにも確かに父が連れ添ってくれたような気がしている。桜の季節にはじまるこの風景は日本の良い風習なのかも知れない。
これから3年間という限られた期間で始まる子供たちの新しい生活体験は、親にとっても子供にとっても刺激的なものに違いない。まあ高校生活というものの経験がない自分にとっては、5年間の生活の始まりだったし、大人の世界にも見える上級生との生活やエンジニアに向けた学生生活は実務に向けた効率的なものだったといえる。最近の子供たちがはたして中学の段階でそこまで就学意識あるいは就業意識が芽生えているのかどうかはわからないのだが・・・。
自分が当時の両親の世代になっているのは確かなのだが、自分としては、この夢見心地の親たちが、子供たちの成長を見守ることができればよいのだろうと思う。高校の先にまつ大学あるいは社会というものに対して、子供たちの好奇心が育まれ必要な意識が芽生えて自身の気持ちに火がついて勉学に勤しむことが出来ればよいのだと・・・。教育現場で不足していたことの付けが、社会では発生していて年初に書いた別の掲示板での議論などもある。無為に過ごすことなく貴重な時期を過ごしてくれればよいと思うのである。