ゆっくりと、まったりと

忙しさの合間に休暇を入れることにした、趣味のアマチュア無線の年次総会に出席するという、なんとも暇な話である。ゆったりとした時間でないととてもそんな気にはなれないだろう。こうしたことこそが、休暇たる所以だろう。今年の総会は倉敷市の児島で行われた、瀬戸大橋線の岡山側のとっつきの部分といえば分るだろうか。日曜に予定されていたので、松山に前泊することで、朝の特急で愛媛県松山から急行したのは、同日程で松山に旅行する細君との共同日程だからでもある。細君はといえば、美術館の特別展を見るために愛媛まで繰り出すのである。マイレージがあるからとはいえのんびりとした旅行である。

二人の似て非なる旅行が相似を見せることになったのは、日曜・火曜と美術館に行きたい細君と、ご近所といえなくもない倉敷に日曜に出かけるという事態を一括の飛行機で行けるのではということからの発想だった。日曜の夜は、倉敷に泊まり、月曜にはまた松山に戻るということで、松山・岡山を結ぶ特急を往復するという鉄分の濃さも吸収できるというものである。実際に、特急しおかぜの洗面所は砥部焼の陶器で出来ていたりもした。残念ながら特急とはいっても最近では車内販売がなかったりする時代なので乗る時には要注意である。

瀬戸大橋線から見下ろす、10分足らずの瀬戸内海の風景は、子供時代の宇高連絡線を思い出させる大切な時間である。夏休みによく出かけた松山への旅はよき思い出であり、残念ながら今では親類も失われてしまい足も遠のいてしまっている。最後に訪ねたのが、叔母の葬儀だったように思う。

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