国内で相も変らぬ通信キャリア間の開発競争を続けている間に、開発成果の実を挙げている新しい開発の流れが海外で立ち上がろうとしているようだ。端末開発という仕事が、共同開発をしても採算が取れなくなってきている国内の事態とは何が異なるのだろうか。開発費用という観点で追求してきた流れが共通プラットホームの上でアプリケーションの流通を図ろうとしている動きと、現実にはすぐに選択できない方法論を実証実験として取り組んでいる動きなどを巧みに織り交ぜている会社もあるようだ。無論成果がよければ切り替えていくための開発投資という見方をすれば積極的な取り組みであると私には見える。現在に流されたような仕方で開発を進めているような仕事のみではエンジニアのリサイクルが必要になるだろう。
開発管理という意味を追求していくことには、真の競争力を追求していくことにリソースを最適化していくということに他ならないのだろう。開発の主要メンバーが中国に移動して渇をいれながら新たな開発協力会社を育成していこうという仕事も一つの方策である。国内の状況だけでは見えてこないこうした様々な状況を正しく社内に展開して理解が得られているのかどうかは別の意味で技術管理としての課題である。社内エンジニアが自社の開発方針、技術指針に対して疑問を投げかけられているような事態となっているのでは勿体無いのである。リーダーエンジニアからのアラームが経営陣に届かないでいるような事態はありえないはずだ。
まったく自社リソースを掛けずに協力会社のリソースのみで開発の新しい姿に挑戦しようとしているのも凄いことだ。国内での開発管理経験を適用して、アジアの技術開発協力会社との協調に取り組んでいる。プラットホーム提供元との接点を国内の子会社を通じて行なうことが必要なので、なかなか主体的に取り組めなかったりするのは課題でもある。アジアの技術開発協力会社がODMメーカーとしてデザインを提供するというスタイルが始まってきた。CDMA2000もUMTSも実際の商品が出始めているのだが、いずれも中国からだ。まだまだ日本のメーカーから見れば稚拙に映るのかも知れないが侮れない事態だと理解するべきだ。彼らは、開発実績と低価格を武器に多くのクライアントにデザインを共有提供しつつ、更なる独自の技術蓄積を果たしていくことが出来るからだ。