新年が明けました、最初の通番は最近の動画マルチメディアに因んだともいえる264ですね。そういえば、最近の携帯電話ソフトウェアの選択尺度にもマルチメディアなアプリケーションがどれほどASISで使えるのかということが挙げられる時代でもあるようです。年初に予定されているトレーニングなどにもチップとは独立した内容でマルチメディアアプリケーションに特化したものなどを計画しているようです。こうしたアプリケーション自体が戦略部品としての位置づけを果たすように変わってきたのは興味深いところでもある。過熱し過ぎた何処かの端末開発競争のせいなのか、開発リソースがそうしたテーマにのみ集約されてしまいがちなのが最近のメーカー事情でもあるようだ。リソースを裂けない端末開発には勢いレディメードでかつカスタマイズ可能なイージーなソリューションを選択するようだ。無論そんな使えるソリューションがあればの話だが・・・。
「開発にこれ以上リソースは裂けないんですよ。」とは、3Gチップベンダーも3G端末メーカーも同様な状況であるらしい。チップベンダーにもいろいろあってサポート自体をサービスとして価格を課している会社などでは時間計算でぼられるとかして独立採算を維持しようとしているらしい。株主優先の海外の会社ならではの姿ともいえるが、お客が数社つかなければ撤退していくのがそうした会社のビジネスモデルである。チップ価格の評価の範疇に初期コストとして捉えるのかノウハウ吸収にいたるまでの国内外でのフィールドテストなどを通じての日常とも思える現地からの現象を捉えたソフトウェア解析のレポートやり取りなどが、そうしたサービスを購入しなければ成立しないというのは経営陣の方々には判っていただけないようである。
サポートを受けたりしていくためには、相手の会社がどのように携帯ビジネスを捉えているのかを正しく把握することは肝要である。ともかく欧州のメーカーの本流としては、今は2.5Gなのである。あのGPRSからようやくEDGEに移行しようとしている渦中なのであって第三世代はFar Eastの話なのであるようだ。無論、現在の儲け頭となっているEDGE端末などの利益を投入して次世代の端末として3G端末の開発を続けているのである。開発プラットホームとして自社で利用しているものをプロダクトとして出している会社も数社あるようだ。ご存知のように3GPPの世界では規格自体がオプション豊富で各社のIPRが盛り込まれている形になっている。適用するキャリア毎に採用されているベンダーの機器との整合性確認を行う必要があり、こうした成果を蓄積していくことが主に昨年の各チップベンダーあるいはチップ開発をしている端末メーカーの最優先課題だったのだが・・・。
無論3GPPの基本機能としての通信が確立することと、端末として仕上げられるかどうかは別次元の話であり国内でのメーカーが選択したのは国内キャリアご指定のLinuxやらシンビアンやらを採用したプロセッサだったり、独自にチップメーカー提供の環境に加えて作りこんだりとかいろいろである。第三世代としてグローバル対応を謳ったキャリアに続き、先頭を切っていたキャリアもグローバル対応に踏み込む様子である。このままでは、2.5G対応のPDC/GSMや第三世代というところのWCDMAもろもろに対応する必要がある端末が必要になるのだろうか。国内のあるキャリアのようにPDC設備を停止させて1Xに移行してWINWIN路線だと突っ走るチームもいる。端末開発の実情としてはユーザーからみた視点では窺い知れない部分が多いのである。「今のままでは立ち行かないのだが・・・」と振り返る余裕もないのも実情といえる。
鶏と卵ではないにしても、最近ではユーザー展開が期待以上に広がりを見せてサポート能力をオーバーフローするのが目前となっている。人によっては「お前は既に死んでいる」とどこかで聞いたようなセリフを言うかもしれない。まあ実情は別にしても解決する策としてリソース投入の許認可申請なども既に下りていたりして、面接するのも仕事となっている。基本的に短い面接で知りえる範囲は限られていて正しく判断できるのかどうかというと難しいのも事実であり、知り合いからの芋づる式という手順となりがちである。採用枠の有無とそうした人的な動きなどの位相があうのかどうかというのは神のみぞ知るということになり、なかなか御神籤を引くような気分にもなっていく。サポートという仕事がらSE的な能力とコミュニケーション能力あとは推進していく為の強い積極性が必要になる。そんな仕事に傾注していけるかどうかという点は、仕事に埋没している人からは見つけにくいし、ちょっと距離を置いた感覚でのお客様の開発への支援には経験が必要となる。
必要な予算を押さえた上での求人活動と、良い人を見つけた上での求人枠獲得といった活動だったりもするのだが、そうじて何時でも探していないと良い縁には結びつかないといえるだろう。心意気で大型コンピュータのSE生活に見切りをつけて米国大学で勉強しなおしたりする強者もいるようだし、組み込みソフトウェアエンジニアの経歴としてはバラエティに富んだ人などもいるようだ。文学部卒の才媛が、実は天賦のソフトウェア技術者としての才能に長けていたりもするし判らないものである。適合してエンジニアとしてやっていけるのかどうかという点も技術力があれば必ずしもクリアできるとも限らないので常に前向きに生きて行こうという人としてのスタンスなどが鍵だったりもする。英語で躊躇しているような人は、最近は願い下げているのだが、英語が堪能だからといってメンタリティに問題があるような感触があると、逆にこちらが躊躇するものでもある。オープンな西海岸の開発ベンチャーの気風に合わない人は困りものとなる。
挑戦するテーマが多いというのは、多くのお客様が一つのプラットホームの上で独自性を出したりしていく上からの要望でもあるし、既存のキャリアへのブレークスルーとして捉えているがゆえに派生する問題であったりもする。マルチメディアなアプリケーションを如何に低価格に提供しうるのかという点に則ったAPIを使いこなして日本での期待値(世界での最大値)というところに近づけていくことが、どうも今年のテーマになるようだ。UMTSだからといって特別扱いはもう無いというよりも、お客様がそうした確認にまではリソースを割かないということになるようだ。物づくりの手順としてのフィールド確認テストなどはあるにしても開発のそれとは大きく異なるということになる、昨年までの実績積み重ねが、そうした挑戦の下地となっている。お客様の開発スケジュールもチャレンジングと映るかもしれないが、そうした事に呼応できるかどうかには楽しんで挑戦できるくらいの人材がほしいものである。
先日、国内半導体メーカーの挑戦話がテレビ放映されていた、SOC事業をカスタム対応力として商売をされていこうというソリューション戦略の話だった。国内の国内の異様な状況を欧州にまで持ち込むのか?という視点もあるのかも知れないが最先端技術に萎縮することなく自分達の考えるビジネスを懸命に訴えている姿を伝えているのは正しいことでもあろう。世界同時戦略という家電メーカーが繰り出しているテーマがそのまま携帯電話にも当てはまるようで落としどころとしての価格帯と実利を挙げたいマスをどのようにフォーカスしているかという点がベンダー毎に異なっているのである。Quad社も絶えず必要なテーマをいくつも模索しつつビジネス方向性の追求していくのはベンチャーとしての健全性ともいえるだろう。そういえばマイコン開発をしている知己も新しいマイコンに取り組んでいるようだ。半導体のラインの増強などへの投資についての意見を求めてこられた人もいるのだがファブレスの会社としての路が当て嵌まるとも思えないし、別の世界なのだと思う。知己の姿がテレビに登場したKさんに少しダブってみえた。
結局のところいつも加速度を感じつつ暮らしていくことがエンジニアらしい暮らしといえるのだろうと思う。如何にして性能を搾り出すか、スマートなシステム設計を達成しうるか、楽しいアプリケーション構築のために必要なAPIの整備など色々なシチュエーションを想定した想像力が求められたりもする。まさによく設計されたプラットホームとそれをサポートする経験豊富なSEが機能すれば達成できそうな世界ともいえる。自前で確認検証する時間が開発するメーカー自身では取れなくなり、他社と協調路線でLinuxやそれ以外のプラットホームなどを選択して向かう合同船団などもあるのだが、国際化の前提で進めなければうまくいかないのは実務面からも対外からの評価などからも言えることだろう。やりたいことを国際化ベースの仕事として達成していく一つの方法論としてそうしたベンチャーを米国などで興してみたり逆にジョイントしたりというのが良い姿かも知れない。
海外での開発経験が続くと、国内での親元会社との関係がうまくいかなくなってしまうように見えるのは親元会社との仕事のスタイルのギャップからなのだろうか。在りたい会社に変われないという姿を多く見てきたし、伸び盛りの若手エンジニアを失望させるような苦行として上位層設計としての仕様書作成に奔走している姿が見られるのは残念なことでもある。そんな環境では原理原則を理解しないままにコーディングという世界をブラックボックスにする魔法のような方法論を追いかけてみたりしているのではないかと思ってみたりもする。ともあれ仕事としての納期が近づいて来て問題露呈のままにリソース投入を繰り返す三途の川のような風景に見えてくる。インドや中国といった国々が次々と携帯電話の利用するようになってきた。最新モデルこそ、こうした国々に向けて提供されるべきであり最新技術の追求自体もそうした国々の人たちとの協業によって成功させていくべきなのだと思う。いつまでも日本が最先端だと思い込んでいるべきではない。
今日も求人に応募してきた電話面談をしている相手はイギリス紳士だったりするのも最近出てきたパターンであり、そういえば正月休みで実家に戻ったイギリス人のメンバーは、サンディエゴの要請でミラノの試験を手伝いに借り出されていたりする。彼の飛行機代金の支払いが会社としてどうするのかなど事例として見守りたいと思っていたりもする。昨年末に社内のキューブ配置変更などを行ったので彼は、まだ自分の荷物が引越し状態のままだったりする。「社内のLANが不調なのよ、どこか空いていない」といってきたお姉さんが彼のキューブに座り込み仕事を始めている。キューブの持ち主の話になり、ミラノで試験をしているといったら、彼女は年末にミラノの伯母さんのところに行って来たところだとか。なんだか狭苦しくなる今日この頃でもある。どこに行っても誰か仲間に出会ったりする可能性が出てきている。どんな一年間が待っているのかはなから忙しそうな状況ではあるものの昨年までとは違う忙しさにしたいと考えている。