いまさらながらの様に、GSMがやって来るという表現が正しいのだろうか。世界中何処でもつかえるIMT2000の理想とは裏腹に3GPPの不調不発は政治のごり押しのようなところがある。無論3GPPだけがIMT2000ではないのだが。世の中をアジアとヨーロッパに限ればGSMの発展は目覚しいものがあり最近ではIMT2000の端末は、GSM機能を持たなければ通用しないという状況になりつつある。もとよりIS95とGSMだけで良いという意見もあったのだが、そうした時代背景を映す端末が出始めてきた。端末構成の内実は、まちまちであり既にGSMチップを開発していたメーカーがIMT2000機能を追加したケースもあるし別々のチップを搭載していくというケースもある。
サブミクロンの進展がチップコストと規模を広げ低電圧化と高性能化という両輪を回してはいるものの、システムLSIとしての完成度を高めていく方策には中々王道が見つからないようだ。Quad社でもGSM機能の搭載をアナウンスしていて、恰もソフト無線機のような実装を実現している。そんな背景の中で世の中は二つの組み合わせを示唆するようになってきた。GSM+IMT2000という構成をどちらのIMT2000で実現するのかということになっていくようだ。これからの延びていく市場に委ねられあるいは偏向していくのは致し方ないので中国次第ともいえる。
最近の情勢ではドコモすらもGSMをターゲットにしているらしいのだが、果たしてその組み合わせ技にはまさかPDCも入っているのだろうか?・・・。GSMはある意味でTDMAの極致を目指したシステムであり、その実装はタイミングにセンシティブである。厳しい条件を課したPAの立ち上がり特性などのRAMPなどでも難しいようだ。CDMAでは帯域拡散をしていることから周波数的には同時送信を果たしているので立ち上がり特性などの細かい所までは要求度合いが明らかに異なる。ある意味でCDMAの方式は物作りを緩やかな制限の範囲で出来るように演算量を高めて対応しているといった面持ちがある。