業界独り言 VOL195 少し無理をする

最近の気の利いた携帯電話機には、それぞれにそれなりの「少し無理をした」事があるように思われます。誰もが手をつけていないことにチャレンジするということを色々な機能の側面で実施しているかどうかという事でしょうか。モデムチップとソフトを提供している立場から言えば、それぞれのお客様に同等の機能を提供していることが目標ですし事実そうしたチップとソフトの両面を提供している訳ですから性能から言えば差がないことが目指している訳です。

しかし、現実には各メーカーの端末毎に差が存在しています。無論、こうした機能差についての実装方法などに興味があるのはメーカーの技術者だけであって、お客様にとっては単なるアプリケーションとして興味があるのか、あるいは使いやすいのかどうかということにもなります。同一のチップセットを使って差を見せるということには、ソフト上の工夫やハード上の工夫など色々あると思います。ハードを少し無理をして使うというのは、マージンにチャレンジするというのでは製品になりません。

ソフトで少し無理をするというのは、納期を厳しくするということでは決してありません。高速ワークRAMなどを使った処理では、すこし気合を入れて構造設計をして管理上の工夫などから安易な実装では得られない高性能を出したりすることが出来ます。無論、安易な実装でも高速化をしたいという向きにはJavaのカーネルのワーク領域をスタティックに割り付けるということがあるでしょう。気合を入れてやると必要なワーク領域そのものをダイナミックに高速領域に設定したりすることもあるでしょう。

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業界独り言 VOL194 3G開発を支えるブロードバンド

3G開発で必要なもの、それは円滑なコミュニケーションに相違ない。Quad社のようにチップビジネスを展開している会社では、世界各地で行われている相互接続性テストの結果などのフィードバックに日夜インターネットを用いて大量なデータが報告され、対応するソフトウェアの修正情報とのピンポンが続いている。幸いにして3GPPにおいては全世界共通のバンドプランであることなどからQuad社自身で保有する評価用端末で実際に日本でもそのまま試験できるというメリットがある。

2.5Gの時代からジョイントしつつサポートという仕事を支えてきたのは、紛れも無いPHSのおかげである。いったい、安い通話料金とはいえ支援の為に幾ら支払ったのだろうか。通信カードの進歩はPCMCIAサイズからCFサイズに変化し、契約形態も宛先固定のものに変わった。通信費用と移動性の双方からみて支援という目的に適っている最良の通信インフラと今はいえる。早晩、インターネットベースのWLANが一般化してくるということも考えられは、するもののお客様のオフィスにお邪魔しての環境などを考えるとPHSのライフタイムは永いだろう。

通信料金がインフラの積み上げであるというビジネスモデルが提示している通信パケット料金というものが、それ自身の開発には料金的にもエリア的にも適合しないというブートストラップ的な問題があり、3GPPではインフラ完成以降も解決しそうも無い。インターネットがダークファイバーの利用などから不良債権ともいえる通信施設の有効稼動に寄与しているという見方もある。余談だが3GPP2の開発支援をしている同僚は、基地局側のデータログを解析に用いるためにモバイルハードディスク(PCMCIA)を購入することに陥ってしまっている。受け取るデータが3Gほど有ったようだ、このHDD自体の容量は5GBなので次世代の4Gまでは対応可能だろう・・・なわけはないか。:-)

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業界独り言 VOL193 知人の輪

久しぶりに知人達と食事をした。発端は、会社のアワード受領による報奨金だった。アメリカ人の慣習なのかどうかはわからないのだがQuad社での報奨金は、現金ではなく友人達とのパーティ補助金という形の運用なのである。友人達とのパーティを通じてさらに次のステップへのサイクルヘ上手く転用していこうということらしい。ともあれアワードの賞状が届いていたのだが記載にはNonCashと書かれていたので気にはしていなかったのだが別便でメールで額と処置について通知が届いた。どうも140ドル相当額までの費用を精算するというやり方らしいのだ。経理担当に確認をして17000円ほどの補助金として友人とのパーティをすればよいらしい。

こうして、独り言でメールを届けている幾人かの仲間と食事でもしようと考えていたのだが、来週にでもと予定していたスケジュールが週末には覆されてしまう事態が発覚して一週間はべったりとお客様さきに伺うことになり、急な展開ではあるが当日のアナウンスを幾人かに送ることになった。ポイントはその日に届いたメールの方である。独り言のアドレスの私にメールを送付してきた人は、少なくとも当日なにかゆとりがある方に相違はないと思われたからでもある。半導体商社の知人のNさんと、通信機メーカーの購買担当の方、携帯メーカーで支援技術などを中心に活躍されているNさんなどから返事が届いたので綱島の気さくな洋食屋さんで開催する旨の通知をした。

組織変更などで最近は「アドレスが変わりました」とか「メールサーバー更新のため週末ダウンします」とか色々な状況があるようで金曜の夕刻の通知にはひとしきり心配もあったのだが、補助金分配の目処も含めて暫く話も出来ていなかった知人達との夕食を楽しみにすることができた。気さくな洋食屋さんについては、アメリカ人は、ただ飯が好きな民族なのかも知れないが、そうした事はお客様を招いた際に用意するゲストランチの風景にも見られる。テストサイトを訪問するアジアのお客様は多い、自分達の開発した電話機を持ち込み確認テストをしていくのだ。そうした訪問を支えるのは、各国の支援技術者とアメリカの支援チームならびに問題毎の開発担当の技術者達である。

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業界独り言 VOL192 攻めないチームは勝てない

イタリアに行っている中村選手は、中々チーム采配と折り合わないのか活躍の場を絞られているようだ。これ以上点を取られては困るといった事態に10番を下げるような采配のチームでは、この先覚束ないだろう。中村君ではないが、N君というひとからメーリングリスト加入申し込みのメールが届いたのだ。メールアドレスは当然のごとく個人アドレスを標榜する転送サービスのアドレスである。まあ個人で運用しているメーリングリストなので、あまり拒む理由も無いのだが、何故申し込み来たのかという点については大きな関心がある。申し込んでくるような元気のある技術者が居るということは業界にとってプラスになるはずだからだ。

さて、N君という方のメールアドレスに振られていた名前をGoogleで検索すると、なんとなく素性がわかってきた。また、彼が使っていた個人用としているドメインアドレスの由来も見えてきたような気がした。まあ勘違いということもあるので、申し込みの理由について教えてくださいというメールと共に想定した会社の方なのでしょうかという問い合わせも付け加えた。想定は正しかったらしい、私自身が過去に行ったセミナーに参加されたこともある方だったようで、私自身N君の名前を見たときにどこかで見覚えのある名前だなと感じた次第でもあった。メールによれば、社内で各種の技術紹介などの草の根情報誌を読んでいてくれたようだった。

自身で社内で四年間ほど続けてきた、草の根情報誌の事実を知っている人はもう居ないのかと思っていたこともあり意外な接点で届いたN君からのメールには驚かされた。聞けば、彼は社内での異動を希望して今では組み込みの渦中の開発技術者として横浜地区に来ているようだった。申し込みの理由は、草の根情報誌の動向を調べていたところ、独り言のURLを教えてくれた人がいるらしかった。彼が、待望していた活動の主体が社外に移っていたという事実は残念だったのかも知れない。期待していた組み込み開発をしながらも前向きな技術追求や共有などを目指していた情報誌の世界と現在の携帯開発などの現場のギャップは衝撃的だったらしい。

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業界独り言 VOL191 ホームサーバーの道その三

ホームサーバーを構築してFTTHベースの常時接続を始めてから、8ヶ月あまりが経過した。実は、残りの運用期間が四ヶ月を切ろうとしている。一年間の限定運用をしているわけではないが、実は引越しを予定しているので新しい環境に移ることを契機に、改善を図ろうとしている。下町から住宅地への移転なので若干の心配がある。一つは光ファイバーの設置工事の期間である。引越しに伴いサーバーの物理的な位置は移動するとしても、PPPoEで接続される先のプロバイダを変えない限りにおいてはアドレスの変更も無い予定である。

唐突に訪れた土地購入と自宅建築話の流れにとまどいながらもイベント駆動型の夫婦として、新居設計という新事業に繰り出すことになった。話の発端は、梅雨時の木曜の朝の電話だったらしい。都内で中古物件でも探して引っ越そうかなどと年初にインターネットで物件探しをしていたときに不動産会社のメーリングリストに名前が登録されていたようだった。三ヶ月ほど届いていた物件エクセルシートも当方の反応がなかったせいか打ち切られてはいたのだが・・・。

電話の主は、不動産会社の元気のよい女性で電話をとった細君との言葉のキャッチボールで巧みに当方の要望を聞き出してくれていた様子だった。昨年の始めに椎間板を患い、急な階段で構成されるこの自宅とのミスマッチに遭遇したことや園芸好きとして庭いじりなどが要望であることから手ごろな広さの土地があれば自分たちの思いの入った自宅を造りたいということまでも話をしたようだった。最初の電話で意気投合するに至ったのが幸いしたのか週末の土曜日に二回目のベルがなった。

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