最近の気の利いた携帯電話機には、それぞれにそれなりの「少し無理をした」事があるように思われます。誰もが手をつけていないことにチャレンジするということを色々な機能の側面で実施しているかどうかという事でしょうか。モデムチップとソフトを提供している立場から言えば、それぞれのお客様に同等の機能を提供していることが目標ですし事実そうしたチップとソフトの両面を提供している訳ですから性能から言えば差がないことが目指している訳です。
しかし、現実には各メーカーの端末毎に差が存在しています。無論、こうした機能差についての実装方法などに興味があるのはメーカーの技術者だけであって、お客様にとっては単なるアプリケーションとして興味があるのか、あるいは使いやすいのかどうかということにもなります。同一のチップセットを使って差を見せるということには、ソフト上の工夫やハード上の工夫など色々あると思います。ハードを少し無理をして使うというのは、マージンにチャレンジするというのでは製品になりません。
ソフトで少し無理をするというのは、納期を厳しくするということでは決してありません。高速ワークRAMなどを使った処理では、すこし気合を入れて構造設計をして管理上の工夫などから安易な実装では得られない高性能を出したりすることが出来ます。無論、安易な実装でも高速化をしたいという向きにはJavaのカーネルのワーク領域をスタティックに割り付けるということがあるでしょう。気合を入れてやると必要なワーク領域そのものをダイナミックに高速領域に設定したりすることもあるでしょう。