賞与も出て世の中は明るくなるかと思いきや、まだまだ大変な様子である。知己の方を囲んだ忘年会や一足早いクリスマスパーティなどで内輪では盛り上げているのだが・・・。QUAD社で提供しているチップセット搭載端末が色々な特色を持って出てきた。溜池や信濃町の製品とは一味違うものがある。そんな中で割と素に近い味の端末でバイナリアプリを搭載できた端末は、チップセットの古さ感じさせない性能を見せてくれたのである。しかし、まだこの端末は世の中には出ていない。年明けの業界への起爆剤でもある。
Javaも良いだろうし動画もよいだろう。WCDMAの実装で苦しむキャリアに比べれば良い条件に見える。GPS衛星機能が基地局が同期したシステムにはマッチもするだろう。WCDMAに向けたビジネスもチップ展開が出来る状況にはなってきても世界から見た日本という市場の一時的な混乱対応にしか映らないのも事実である。世界に目を向けつつある国内メーカーにとって苦行となってしまった国内仕様のPDCとWCDMAの機器開発と国際規格の機器による欧州市場などのギャップは大きい。各メーカーのトップの方々の抱負(?)が師走の日経エレに記載されていたりする。年初に持ってくるのには暗い内容だからだろうか。
各社ともクリスマス商戦あるいは、サンクスギビングといったイベントに向けてタイミングを合わせて投入しようとしているのだが中々タイムリーに商品展開することが難しいようだ。新機軸を打ち出そうとするキャリアや新市場に向けて取組むメーカーといった組み合わせではリードをどちらがとるのかが鶏と卵に陥ってしまうこともある。サービスに走ろうとしてている通信キャリアと新たな分野への挑戦で一杯のメーカーとしては中々歯車がかみ合わないこともあるだろう。
最終的な市場予測の皮算用から弾き出された開発投資とその実績がずれてきたのは第三世代とデジタルテレビなのだろう。ハイビジョンのテレビを導入して一年が経過するが双方向のサービスを使おうとは感じないのが現在のコンテンツの状況からだろうか。無論、綺麗な画面に展開される紀行コンテンツや映画には向いているのだと思うが。音楽中継も嬉しいものだ。最近はハイビジョンで放映される幾つかのコンテンツをDVDに録画するようにしている。出来上がったDVDには綺麗なタイトルも入れるようにしているが、これも楽しみになっている。
嫁さんと二人で暮らす我が家ではあるものの二人が所有するパソコンを無線LANに移行させて半年あまり経過したのだが周囲への普及が目覚ましいらしく二階に設置したISDNルーターからの電波ではC/Nで負けてしまう有様だ。結果として三階や一階では時間帯によっては自宅網にアクセスできないという事態になってしまった。隠れ端末ならぬ隠れ基地局になってしまった。この為にローミング機能を持つ802.11bの無線LANシステムに入れ替え、各階にアクセスポイントを設置した。フロア間の接続にはカテゴリー5のケーブルとスイッチングハブで結んだ統合ネットワークである。
解決を見たものの投入した工事費用は30万円ほどになってしまった。綺麗に収まったLANコンセントでアクセス環境は整い、あとはブロードバンドの到来を待つのみとなった。引越しと同時に導入したISDNも今ではフレッツで当たり前の常時接続になった。国策を否定しつつもいつも先陣を切って導入しているのが国策を支援している自宅の状況でもある。次の一手は、当然後退とも映るADSL化ではなくて光の導入である。折角分けたダイヤルインでのFAXと電話の番号分離などISDNの機能を活かさなくてどうする。そして、いつか聞いた月額1万円で10Mbpsという掛け言葉は既に陳腐化しているものの、実際には100Mbpsを1万円で提供するという時代になった。
来年には、この環境に光が接続されて常時10Mbps以上のスループットを確保できそうである。自宅にサーバーを置いたりするという時代にあった実践すべきテーマであると考えているからでもある。無論802.11bでは遅いだろうという声も聞こえてくる。米製品だけではなくて国内でも食べれる粟もあるからだ。ブルーテュースではシリアルケーブルの代替しか出来ないので802.11aかAWAかになるのだろうか。既に携帯チップにはどちらもターゲットにした製品が出てくるようだ。
多くのリソースを投入して開発する携帯チップは、その予測する市場規模の皮算用をベースにしているのだが昨今の様に物作りとしての仕上げにかかる人的リソースなどを考慮すると商機を逸しないためにQuad社のチップを使うという判断をしているメーカーが多くなっている。自社開発では投入リソースを賄えないからだ。といってそうした技術の裏づけなしに、チップを利用した設計開発を進めていくことには異論も多い。誰かの言葉にあったが何人集めても初段は初段だというのだ。
自社チップの開発を進めてきた会社でも一部から他社製品を利用する場合もあるようだが、自分達の設計との差異についての検証を正しく早期に解決をしておかないと大きな問題となるように思われる。たとえば音響特性が理由で、最終の詰めの段階でキャリアから指導を受けたりする姿は、自分達で賄ってきた部分についての対応策が不明確なままに進めてきた結果だと思われる。無論フィルタ設定さえすれば解決するのだが、そうした項目を先延ばしにしてきたつけでも有るようだ。
同じチップを使っても違った考え方で最適化やカスタマイズを為された各社の無線端末の性能や機能での課題について電子メールや電話でサポートするというメカニズムには相手とインタフェースする技術者が求められていると共に、利用されるメーカーの技術者の方々の対応についてのグローバル化が求められている。求めたい知識や知りたい現象への助言には相手が持ち得ている環境での再現などを含めた相互の共通認識となるものが必要となる。これにはデザイナーキットと呼ばれるボードが検証用リファレンスとなる。
これらのデザインリファレンスに立脚して自分達でカスタマイズしたい項目についての議論を交わしていけばよいのだが、内部を公開出来ない部分もあるだろうしメーカーの方でも、公開したくないノウハウもあるだろう。そうしたやり取り自体が既にノウハウになっているのだから。こうした電子メールでやり取りされる技術情報について開示して欲しいというメーカーの方もいるし、他方で公開されても良いのですかと聞くと「とんでもない」と返答される方もいる。自社の技術蓄積には、自社発の質問でチップメーカーから入手していくしかないだろう。
電子メールがベースとなるが故に、この社会インフラが崩れると端末開発にも大きな打撃になる。こうしたことをいち早く認識して率先垂範して環境構築されている端末メーカーもあるのだが、現場の方々はそうした活動の価値についての認識が低いのも事実だ。メールサーバーの電源を切って帰るという会社すらあったくらいだ。電子メールというインフラを使っている方々にとってメールサーバーが交換機などの重大なインフラだと認識されるべきだ。コンピュータウィルス対策も同様である。
そんな思いでインフラ整備に当たられて来た知己である高和氏が、その会社を去ると聞いた。インフラ構築への思いと会社内での位置付けなどから悩み暫く社外の会社に転籍して新たなビジネス離陸などに思いを馳せたようだが、まだ会社としてのそうした事業への地力が不足していると感じたようだ。彼ならば、卓越した技術でIT業界を渡っていくことが出来ると思う。そうした彼の思いを聞こうと明日火曜日には、初芝ソフトの横山氏やネット構築に関わっていた仲間などと新横浜で所謂「言いたいことを言う会」を予定している。1900からだが何人が集まるのだろうか。