今日は、遠地のお客様への訪問出張である。携帯電話業界は、全国各地の開発メーカーが参入している。本日伺うメーカーもその一つである。我々が支援していくメーカーの中でも、コツコツと地道に開発されているという印象のメーカーである。寄せられる質問内容などを通じて、そのチームの実力やメーカーとしての開発スタイルなどが良く伝わってくる。ここは、決して派手ではないが、堅実な物作りのメーカーである。通信機器の専業ではないが、組み込み機器でのRFの経験はコードレスやPHSなどを始めとして取り組んでこられた系譜である。
打ち合わせの中で、私達が製品にこめるメッセージに対して、お客様からの開発に対するメッセージが返ってくる。頻繁訪問できる距離ではないが、一回の訪問で得るところは大きい有用なお客様である。地方でじっくりと開発を進めておられる会社なので自分達の身の丈にあったペースで携帯電話を開発している。この為、私達の提供するチップ全てを次々と取組むわけではない。私達がチップやソフトに対して次々と機能を追加していく流れのなかて差分をベースにした資料などで対応していると不十分であったりもする。
ゆったりとした時間の中で午後からの打ち合わせは三時間あまりを経過していた。真摯なお客様との意見交換で次の製品や展開に向けたテーマも明確になってくる。気がつくと色々なテーマについて話をしいて訪問回数の少なさをカバーするだけの打ち合わせになっていた。辺りはとっぷりと暮れてきて鈴虫の音が響く中で、タクシー待ちをしている。この地方都市の中では大きな電機メーカーでありタクシーなどもお得意さまとしているのだろうが駅構内でのタクシー待ちという地方都市特有の運用形態から時間がかかるのは致し方なかった。
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