VOL88 どこもくわしこも 発行2001/3/1米

各人エンジニアとしての拠って立つところは何かしらあるはずだ。Quad社の強みはCDMAに対しての先行した技術をハードウェアならびにソフトウェアで実現してきたことだったのであろう。世界がCDMAに塗りつぶせるかどうかの議論は別だが、自負も含めて相当なリードがあるという見方もあるだろう。中からのそれが正しいのかどうかは言及できないのは会社員として致し方ない。Quad社でエンジニアとして働いていくならば会社が考えている先進性に呼応する取り組みに従事していくことは必定である。

あるキャリアが韓国に出資して事業を始めようとしている。韓国は最初にCDMAを導入した先進の国でもあるが、そうした国にWIDEなシステムを持ち込んだキャリアの戦略も凄いと思う。そうした動きの中で最近トップの方が韓国のキャリアとミーティングをするなかで技術論としてのWIDEの敗退を思い知らされたようだ。国内のノリで韓国の事業が成功していくかどうかには悲観論も含めて考え直す気持ちになったようだ。お茶で濁そうと思っていたこともビールやコーヒーを進められたり、高速データ通信での利用効率など含めて自問自答の日々を過ごしているらしい。

ビッグスターも地方展開での巡業については、くわしこもショックを隠せない様子だ。ビッグスターの下積みからの今の華々しい成果が薄氷なのか磐石なのか悩む日々が続いているらしい。LとRの発音の区別が難しい日本の人たちにとってはビールで青ざめる日々が続いているらしい。どこもそうなのかも知れないが、お茶の人たちにとってはビールにはアルコールが入っている為に中毒になる人たちが出ることを恐れてもいるようだ。ビールがJリーグ会場で売られるようになるとどこでも売られるようになりかねない気配もある。

ワイドなビンビールが出荷されそうな状況も手伝って、お茶の問屋では商売替えも辞さない様子もあるかも知れない。どこでも出荷されるにはそれなりに、どこでも売るためのルールが存在しているのだが先進のワイドなビール工場の人たちが、あまねく続く日本の茶畑のお茶の業界での結束力を理解しているとも思えない。互いに無いものねだりをしているようにも見える。逆にどこでも売るためのお茶問屋とワイドなビール工場が手を組んでしまったら・・・何が起こってしまうのだろうか。

日経新聞を読むだけでは計り知れないディープな世界がそこにはありそうだ。ディープな世界を軽いノリで見ているQuad社と過去も含めたしがらみも含めて悩んでいる韓国に展開しようとしているキャリアの世界とでは同一ドメインにいるとは思えない空間の相違がある。ワイドなビールの世界が始まったとすると、潤沢な仕事を膿みだしていたけったいなビジネスモデルの世界が天地反転してしまうこともあるかも知れない。都会に暮らす技術者の多くが安住してきたどこでも商売が日本だけにしか通用しない自分達の世界を縛っているとしたら・・・電機労連も悩みを深めるに違いない。

21世紀を迎えて、技術者の自立を更に促す事態が起こるかもしれない。しかし、日常そうしたことをケアしている技術者にとっては雑作の無いことだろう。自分の納得する技術開発やテーマを、日々の仕事に見出している技術者にとっては、会社のビジネスモデルが変わってもマイペースで暮らしていくに違いない。そうした技術者が次代を生み出していくはずだ。

無線インタフェースのベンチャーをされている知己がサンディエゴのQuad本社を訪ねてきていた。たまたま偶然で挨拶する機会をえた。私もたまたまサンディエゴにきていたのだった。狭い世界だが何か符号するフェーズのあう人たちがいて、それで世界を引っ張っているようなこともあるのではないかと勝手に納得している。この知己のベンチャーがかつて、ある会社を出入り禁止になるような過去があったことを知る人はいないし、出入り禁止にしたような人は自分達の技術管理の能力を超えた仕事を彼にやらせていた事こそ反省すべきかもしれない。

日本の会社は、何か問題があると悪者をきめて縛り首にしていく。半導体の会社の関係者であれば、この技によって業界で食っていけなくなる。ベンチャーではそうした事は微塵も無い。いつでもその人が持っている技術が有用であれぱ進んで利用していく、そんな風潮があるのではないか。半導体と通信技術の業界の相違をみつつ、両方の顔をもつQuad社はどんなことになるのか考えても今は答えが見つからない。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です