VOL58 外資の中の暖かさ 発行2000/11/21

季節の変わり目には訃報がつきものである。私小説にあったケイ佐藤氏の父上が亡くなられた。病気療養を繰り返されていたとのことである。ベンチャー精神旺盛な彼を育て上げたお父上には一度お会いしてみたいものだと考えてはいたが残念なことである。彼の故郷は、福島県でありベンチャーのインキュベーションでのコンサルティングなどには地元の企業からの出資も募ったりと福島には志の高い人が育つ土壌があるのだろうか。

同僚の中にはTIの経験者などもいるのだが、外資の会社では同僚の親族の葬儀で会社として向かったりすることは無いらしい。無論、当人の場合はあるようだ。日本の製造メーカーから来た仲間もそうした会話をしつつ外資での暮らし方に若干の戸惑いを持ったりしているようだった。ベンチャーである我々の会社としては、まだまだ総務課といった通常の会社にあるべき組織が無かったりしていて作法などもこれから決めていくことが必要である。

ケイ佐藤も初芝通信からの転職してきた経緯があり、彼の同期にあたる仲間や初芝OBの仲間にメールで連絡をした。今は常務であるケイ佐藤は、重要な案件を抱えているために彼が召集しているいくつかの会議について現地社長である本松氏が代替したり、連絡を取り延期したりといった慣れない対応をしている。まだ若い会社であるためにそうしたことへの対処が決められていないことによるのであって、外資だからといって冷たいといったことではない。

関連するキャリアの方々は、こうした事態を正しくは把握されていないらしく会社として参列する人の名前を聞き出そうとして、香典をたくされようとしている。こうした周囲の会社への対応も、我々は学んでいくことが必要であろう。司法試験を目指す大工バイターのOBやベンチャーの社長の方などからの託された香典を抱えて個人休暇を取得して通夜に赴くという暮らしも暖かいと感じている。私の本日のサポート業務は延びるまたは同僚が代行するというのが、その答えだ。

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