半年らいの異常な事態を収拾するなかで、国内支援体制の拡充が大きな鍵であることを認識し上司具申のうえ体制拡充の許可をえた。現状からの6dBの体制強化である。ベースが何人なのか20logなのか10logなのかはモザイクのかなただ。問題は、やはり言語の問題なのか、あるいは自分自身への自信のなさの現われか、あるいは生活保障ということからかなかなか名乗り出てくるメンバーにはお会いできない。敷居が高いのだろうか。見知った人から見識の再確認で済めば私も自信をもって本社に申請をしようというのが目論見であり、培った実績から米国での日本メンバーにこうした人事採用までの裁量をいただきありがたく思うと共にまだまだベンチャーであり毎年優秀な人材を採用教育してくれていた大企業という枠の力についてうらやましく思いもするのである。
ある程度の日本語の会話力があり、英語の読解力と会話力のある日本に留学してきている学生を対象にして新人確保という線も却って日本人の技術者を採用するよりも私たちとしては容易いかもしれないと思いついた。日本人でも、宇宙語を話すようなコミュニケーション能力のないオタクな技術者を採用してもここQuad社では務まらないだろう。お客様である技術者のための技術者が我々の仕事なのである。バックエンドのサンディエゴのチームと相対することは日常であり、かの東川氏ですらおぼつかない英語で暮らしつつ未体験のCDMAの世界に突入していったのである。現物を見ないで、仕事の指示や確認だけをしている生活も安住という観点からは捨てがたいのかも知れないが、果たして技術者としての自分自身というものを持ちつづけていくことについてはどうなのだろうか。東川氏のように時代から浮いてしまうことを恐れずに嵌りこむのも考え物かも知れない・・・が。
携帯の通信費用を下げることで景気は上向くのでないだろうか。今は通信費用の嵩む部分を被服費用や他の娯楽費用から浮かしているために景気を悪く見せているのではないだろうか。そんな話を嫁さんと交していた。たしかにタクシーの若い女性運転手などと話してみるとそうした実情が窺い知れる。でも通信は外せないようなのだ。となると被服費用などが安く済むことのメリットなどがユニクロ現象などに現れてくるのかもしれない。
ある会社でCDMAの開発をしていたという技術屋さんの紹介を受けた。もともとは初芝電送にいたそうで何年か前にまとまってスピンアウトして会社を興してシステムハウスをしていたらしい。会社ごとサブコンとしてある韓国の通信機器会社の日本研究所という組織を形成していたらしい。初芝でもよく見られた地方研究所のようなものだ。ただし会社全体の人材が借り物だというのも最近ではあることなのだろうか。Quad社のお客様でもあったこの会社
がシャットダウンすると聞き及び技術者の奪取に走ったのは言うまでもないことである。この会社では昨年田町系列の会社からCDMA技術者の引き抜きがあったらしく我々としては、半年毎に行なわれる新製品リリースに伴うトレーニング会場でのレセプションを通じて、そうした人材交流(?)を知りえたりしていた。都合を伺いインタビューとしてヘッドハント活動をしレジメを書いてもらい、サンディエゴとのテレビ面接も行い、ようやくオファーという段になる。東川氏の時とはことなり迅速な人事処理が進んだ。
Quad社では、顧客先からの技術者の引き抜きは本人の意向が先行しないかぎりは攻めていかないのが鉄則であり、大企業にありがちな本人の意向と昇格での管理志向とのせめぎあいで不満を持っている人がいれば狙いどころとなる。今年に入って東下からきた同僚も同様なパターンである。二人の目標は、9時にきて6時に帰ることであり、そうした目標が夢ではないことは昨年の生活から東川氏は知りえている様子だった。そうここで注意しなければならないのは、顧客先以外からの引き抜きには言及していない点である。米国の会社であり、研究開発陣の充実などはトップレベルであり何よりも確かに自分達で牽引しているという自負のある環境は技術屋として腕や頭に覚えのある人にはやりがいのある場所なのだと思い返す。
昨年懸案だったWCDMA問題も決着して未来が約束し開かれた現在は、東川氏が野比Laboの一節で述べていたような危惧も消えている。ただし、一年足らずの東川氏の経験からは長年会社で不平不満のみをいつも漏らしているような技術者では、きっと馴染めないのではないかと思うのである。自分に前向きで仕事の中でそれを実践していくような人材で、仕事に恵まれないというような人材がもっとも奪取に走るべき人材であることを確信している。そうした人材をTechPaperという実践を通じて知りえた東川氏にこうした人材推薦の白羽の矢がささり今は奔走しているようだ。
年収は残業など勘案してもきっとがっかりさせないものがある違いないし、業界の技術者の方々を支援するということで日本中をまさに回りつつ最先端の技術会話を楽しめるという仕事の楽しさはきっと東川氏の個人シグネチャからも伺いしれるだろう。ベンチャだから組織の弱い所もあるだろうが、フラットな組織はそうしたことの是正をどんどん具申して直していけるということを人材採用や教育などの問いかけからも真摯な議論を上司と交し会社としてそうしたことへの取り組みをしていくことをしている。そんな勢いのある会社なのだ。もうプロトコル屋だけが欲しいのではなくてそうしたことを常識として捉えて端末というシステムを理解したうえで個人生活の中心としてネットワークを広げていくなかでの広範な技術者を求めているのである。
??夢うつつで書いていたようだ。いや単なる独り言だ。年収など気にしないひともいるだろうしこうした生活にあこがれている人もいるかも知れない。チャンスは少ないが、奪取に呼応するダッシュを示してくれれば、私もダッシュして奪取に向かうはずである。あまり冷やかしで呼ばれても肝臓に負担がかかるので勘弁して欲しいのだが・・・・。今週は鳥取で美味しい出張を済ませて来週には本社で情報収集にあたらなければなるまい。・・・こんなに遅くなってしまった。